痛みを伴うと「無駄遣いはやめよう」という意識が芽生えやすいが、痛みが少ないと意識せずに買い物してしまうもの。

「経済学者であるプレレックらの2001年の論文によると、ボストンの大学で、プロバスケットボールチームの試合のチケットをオークションで購入させる実験を行ったところ、クレジットカード払いの人は現金払いの人の2倍の金額で入札したそうです。

これらの研究結果から考えると、キャッシュレス決済のほうが浪費しやすいといえます」

増加の背景はポイント付与?

無駄遣いしやすいキャッシュレス決済だが、利用者は増えている。

「金融広報中央委員会が公表している『家計の金融行動に関する世論調査』によると、金額にかかわらず現金払いが減少傾向にあり、クレジットカードや電子マネーでの支払いが増加傾向にあります」

1000円以下の支払い手段の変化(「家計の金融行動に関する世論調査」を元に編集部で作成)
1000円以下の支払い手段の変化(「家計の金融行動に関する世論調査」を元に編集部で作成)

1000円以下だと、まだ現金払いのほうが多いが、それでもクレジットカード払いは4割弱まで増えてきている。高額の支払いの場合は8割がクレジットカード払いだ。

1~5万円以下の支払い手段の変化(「家計の金融行動に関する世論調査」を元に編集部で作成)
1~5万円以下の支払い手段の変化(「家計の金融行動に関する世論調査」を元に編集部で作成)

家賃や水道光熱費などの定期的な支払いに関しても、口座振替が減り、クレジットカード払いが増えてきている。

定期的な支払い手段の変化(「家計の金融行動に関する世論調査」を元に編集部で作成)
定期的な支払い手段の変化(「家計の金融行動に関する世論調査」を元に編集部で作成)

「この変化は、クレジットカードのポイント付与などによる影響だと考えられます」

決済方法の使い分け

キャッシュレス決済で無駄遣いしないための対策はないだろうか。