岩手県北上市の16歳男子高校生が、他人のクレジットカードの情報を不正に利用してショッピングサイトで買い物をした疑いで逮捕された。この男子高校生は4回目の逮捕で、県警のサイバー犯罪対策課は、未成年者が簡単に犯罪に手を染めてしまう危険性を指摘している。増加する未成年のサイバー犯罪の実態と、その背景にある問題点を探る。

驚くべき押収された“証拠”の量

3月31日、北上市に住む16歳の男子高校生が、電子計算機使用詐欺の疑いで岩手県警に逮捕された。県警はパソコンやたくさんのスマートフォンを男子高校生から押収した。

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警察の調べによると、男子高校生は2024年10月、インターネットショッピングサイトで他人のクレジットカード情報を不正に利用して買い物をし、代金の支払いを免れた疑いが持たれている。

男子高校生は他人のクレジットカード情報で、岐阜県の建設会社が出品していた5万数千円のドローン1機と、神奈川県の男性が出品していた1万数千円の電子部品1個を購入したとみられている。

さらに驚くべきは、男子高校生のスマートフォンから発見された情報の量だ。

所有するスマートフォンからはいずれも他人名義のものでクレジットカード情報が約100件、ショッピングサイトなどにログインできるIDやパスワードが数万件見つかった。

クレカ情報不正入手方法、県警が指摘

他人のクレジットカード情報を不正に入手する悪質な行為が、今、全国的に行われている。

県警サイバー犯罪対策課の青木優亮特捜隊長は、クレジットカード情報の不正入手方法について次のような指摘をしている。

岩手県警サイバー犯罪対策課・青木優亮特捜隊長
岩手県警サイバー犯罪対策課・青木優亮特捜隊長

「クレジットカード情報はフィッシングサイトで盗まれる場合がほとんど」と青木特捜隊長は話す。

さらに、「秘匿性の高いメッセージアプリでクレジットカード(情報)の売買を行う犯罪グループと知り合いになる。そこからクレジットカード情報を入手して不正利用をしている」と、犯罪の手口を説明した。

未成年者を狙う犯罪グループの存在

青木特捜隊長は、近年の傾向について懸念を示している。「近年、子どもがネットを使う機会が増えたことに伴い、犯罪グループと関わる可能性も高まっている」と指摘する。

対策として、青木特捜隊長は「フィルタリングの設定をしてほしい。犯罪グループと知り合うことができないようにすることを家庭で話し合ってほしい」と呼びかけていて、技術的な対策と家庭内でのコミュニケーションの重要性を強調する。

「懲役10年以下の非常に重い罪」

青木特捜隊長は、このような犯罪に対する若者の認識の甘さについても警鐘を鳴らす。
「今回のような犯罪に遊び感覚で簡単に手を出すことは危険だ」と注意を促す。

さらに、法的な観点からも「(電子計算機使用詐欺は)懲役10年以下の非常に重い罪。こうした犯罪に加担しないよう気を付けてほしい」と強調する。

今回逮捕された北上市の16歳の男子高校生は、1月以降、岩手県警と北海道警に同じ電子計算機使用詐欺の疑いで、茨城県警には詐欺の疑いで逮捕されており、今回が4回目の逮捕となる。

男子高校生は今回の容疑について認めているという。警察は引き続き余罪を調べている。

(岩手めんこいテレビ)

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