元タレントの中居正広氏と元アナウンサーの女性を巡る一連のフジテレビ問題で、3月31日、第三者委員会は業務の延長上の性暴力を認定した。
これについて、4月5日、関西テレビの情報ニュース番組「ドっとコネクト」に出演した弁護士の橋下徹氏と、同じく弁護士で元テレビ朝日アナウンサーの西脇亨輔氏は、会社間など“付き合い”での接待や飲食の在り方について、次のように話した。
橋下徹氏:今回の第三者委員会の報告書を受けて、僕はやっぱりいろんな各社が、これからこの人権問題について取り組みをすると思うんですけども、今度は萎縮してしまって、社員にもう一切、取引先や関係先と(飲み会など)関係を持つな!と…2人きりで会うとか社員同士で交流を持つな!というふうにはなってほしくないと思います。

橋下徹氏:今回やっぱりね、中居さんというある意味大物タレントであったとしても、『マンションの部屋に2人で…』と言ってきた時に、ちゃんと(上司に)報告・連絡・相談ができるそういう組織っていうのは作っておかなきゃいけないと思います。普通は、上司に『中居さんに2人きり人でマンションに…っていうふうに言われてるんですけど』と相談したら、普通は『行くな』となるはずですよ。
橋下徹氏:でも、これが今のフジの組織体制では、それがみられなかったっていうところもあるんで、一般企業は社員が危険な場に行きそうな場合にはちゃんとその社員が報告・連絡・相談をして(危険な可能性がある場合)行くなと守ってあげられるような組織にするってことが大前提。
橋下徹氏:そういうことを抜きにね、もう一律で全部行っちゃダメですよっていうふうな社会になってほしくないなと僕は思いますね
橋下氏は以上のようなi持論を述べた。

■「生きがいともいえる仕事…そこにつけこまれた時、何か言えるのか?」と西脇亨輔氏
一方、弁護士で元テレビ朝日のアナウンサーだった西脇亨輔氏は、自身の経験も照らし合せて話した。
西脇亨輔氏:なかなか上(上司)には言えないかと…普通に言える(相談できる)体制になればいいとは思うんですけれども。私も以前、アナウンサーをやっていたということもあって、しかももう少し前の時代ですから、もっと今よりもコンプライアンスが整っていないような時代。
西脇亨輔氏:やっぱりそういったことを職場の先輩に言うっていうのはそれだけで『お前ノリが悪いやつだな』っていうか、もうそれが何か普通の職場よりも、さらにそういった空気感というか、職場としての上下というよりもお互いちょっとライバル同士というところもあるので。
西脇亨輔氏:そうするとなんかそういうことを言う人間は『番組とかで使えるのかな?』みたいな噂が広まってしまう。
さらに西脇氏はフジテレビ問題での第三者委員会の報告書で、個人的に一番胸に響いた部分について、自身の解釈を交え次のように話した。
西脇亨輔氏:結局、今回(女性が)被害に遭って、その療養中に(自分が出演していた)番組を降板になる。降板になった時の女性のコメントが『私から全てを奪うのか』と言って泣いたっていう…そういうことなんですね。
西脇亨輔氏:結局、ある意味自己実現、自分の生きがいにもしている仕事があって、そのためには一人一人がある意味、個人事業主のように働いていて、そこにつけこまれた時に、職場の組織的なラインとかに乗せて何か言えるのか?

■橋下徹氏「このままでは一切飲みに行くなとなってしまう
これに対し、橋下氏は今回の第三者委員会の報告ついて、持論を交え次のように話した。
橋下徹氏:(今回のようなテレビ局の)アナウンス室という特殊性があるにせよ、やっぱりそういう体制(報告・連絡・相談)を作らなきゃいけない。もし、作れない場合、事後的に“業務の一環”だったと(今回の報告書のように)後から言われてしまうんであれば、社として『一切(飲み会などに)行くな!』となってしまいますよ。

橋下徹氏:この報告書の中では、そのトラブルあった1日だけにBさん(フジテレビの元編成部長)が関与していないことはなんて小さい事実だっていうんだけれども、じゃあ業務とプライベートの区分けはどうするんですかっていうところには、この報告書は明確には答えてないんですよ。
橋下徹氏:だから僕は、後から業務の一環だからこれでトラブルになる、会社の責任になるのであれば、おそらく日本中の会社が、もう一切『(飲み会などに)行くな!』ってなってしまうから、そうならないように仕組みをしっかり整えてもらいたいと思います。
(関西テレビ「ドっとコネクト」2025年4月5日放送より)
