衆院選での自民党の大勝を受け、今後の政治はどう変わるのでしょうか。
関西テレビ「newsランナー」では、自民党が獲得した「3分の2」議席の持つ意味や、公約に掲げられた消費税減税の行方について、自民党の青山繁晴さん、中道で立憲出身の泉健太さん、公明出身の伊佐進一さんの3人の当選者を交えて議論が交わされました。
■「食料品消費税ゼロ」は実現する?減税議論の“本気度”
選挙戦を経て、街からは「消費税減税してほしい」「食料品の消費税ゼロを実現してほしい」という切実な声が聞かれます。
高市総理も消費税減税に前向きな姿勢を示しており、2026年度中の実現も視野に入っているとされますが、その本気度はどうなのでしょうか。
番組に出演した自民党の青山繁晴さんは、減税はするものの、その中身、例えば「食料品だけを2年間ゼロにする」という形に限定されるわけではないと指摘。
「減税の実を上げることが大事」であり、そのための具体的な方法は国民会議で検討されるとの見方を示しました。
青山氏自身は、環境副大臣という政府の一員ではあるが、あくまで個人的な考えだと述べたうえで、「1パーセント、2パーセント刻みで下げていくべき」と主張。
国の決算では毎年余剰金が出ていることを根拠に、「1パーセント消費税を下げるのに2兆円から2.5兆円で下げられる。決算剰余金を使えばできる」と、財源は確保可能であるとの見解を明らかにしました。
今後、党内および政府内でこの案を提案していきたいとします。
一方、中道の泉健太さんは高市総理の著書「国力研究」に触れ、「ここに書かれていることが高市さんのバイブルになっていることは確かだが、その中で唯一、『食料品の消費税ゼロ』だけは、総理になってからも言ってなかった項目」だと指摘。
「これは本当にやりたかった政策であり、これだけの議席を得たからには『やらなきゃうそでしょ』と思う」と言及し、中道としては「財源については(選挙戦を通じて)提案済みである」とし「議論をリードしたい」と意気込みを語りました。
■「3分の2」の議席がもたらす巨大な権限
今回の衆院選で、自民党は戦後最多となる316議席を獲得しました。これは、国会運営において極めて大きな意味を持ちます。
・絶対安定多数(261議席)を上回る:全ての常任委員会で委員長ポストを独占し、委員の過半数を確保できる。これにより、法案審議を円滑に進めることが可能になります。
・3分の2(310議席)を上回る:参議院で否決された法案を、衆議院で再可決することが可能になります。
さらに、参議院でも3分の2の賛成が得られれば、憲法改正の発議も可能となります。
高市総理は解散表明時に、責任ある積極財政、安全保障政策の強化、憲法改正、スパイ防止法関連の制定などを掲げており、今回の選挙結果はこれらの政策を強力に推進するための民意を得たと位置づけられています。
■「高市一強」への懸念と“国論を二分する”議論
中道の伊佐進一さんは高市総理が掲げた政策を巡って、「われわれもこの内容には反対しない」と述べました。
その上で、「高市総理が言っていたのは『とにかく私を信頼してください。選んでくれたら、国論を二分するようなことをやらせてください』と。でも今回の政策の中には『国論を二分するようなこと』は入っていない」と主張しました。
そして伊佐さんは「国論を二分するようなこと」を選挙で示して民意を問うのが解散総選挙の本来の姿であるものの、今回はそれがなかったため、「争点をつくるのに苦労した」と振り返りました。
そして“白紙委任”された形になったと分析し、今後は、「国民的な議論をしっかりとできる環境作りを野党として担っていきたい」と述べました。
一方、自民の青山さんは、高市総理が掲げる政策の中に「国論を二分する議論」がすでに含まれていると指摘。
かつて人権制限への懸念から廃案になった「スパイ防止法」や、皇室に養子を迎えるかどうかといった「皇室典範」の改正などがそれに当たるとの見方を示しました。
■大勝した自民党に芽生える「二つの勘違い」
さらに中道の泉さんは、選挙結果によって、野党は議会での質問時間の比率や委員会運営のの主導権といった面で、活動が大きく制約されることになったと説明。
「『行き過ぎ』だとか『進み過ぎ』だとか、『すっ飛ばし』っていうことがないかは、(有権者の)皆さんもこの高市政権であってもチェックをしていただきたい」と呼びかけました。
最後に、自民党の青山さんは、大勝した党内にすでに「二つの勘違いが芽生えている」と警鐘を鳴らしました。
一つは、派閥をめぐるお金の問題が「もう終わったんだ」という勘違い。
そしてもう一つは、何でもできるという「万能感」だと指摘します。
特に憲法改正の発議について、青山氏は「衆参“両院”で3分の2」ではなく、正確には「衆参“各院”で3分の2」の賛成が必要だと指摘。
「今、自由民主党は参議院で(3分の2に)全然足りない」とし、「できないことがあるという現実を直視することが最大の責任だ」と述べました。
(関西テレビ「newsランナー」2026年2月9日放送)