――二つ目はなんですか?
二つ目は、全体のスケジュールを把握すること。
本では、「テストで“最初の3分間は問題を解かない”」と言っています。すぐに問題を解きたくなるものですが、まず全体を見て解ける・解けない問題を判断し、確実に解ける問題から取りかかった方が効率もいいです。
大人も同じことが言えて、物事の全体を見てスケジュールを立てることは、立派なビジネススキルにつながります。
例えば、「この仕事が終わったら、休憩をとってコーヒーを飲む」と思うと、頑張れますよね。“コーヒーを飲むために仕事をどう早く終わらせるか”という頭に切り替わるので、作業もスピードアップするでしょう。

――三つ目は?
三つ目は予定をルーティンにすること。
同じことを繰り返すことで脳の成長につながります。日々やることをルーティン化していくと頭が働きやすくなる。
私は朝にパフォーマンスのピークを持ってくるように、予定をルーティン化しています。9時間という睡眠時間を守るため、夜8時以降に何があっても仕事はしないと決め、その日に残った仕事を次の日の朝にするよう心がけています。
すると、自然と脳も順応してくれるようになり、朝のパフォーマンスが良くなっていくことを実感できています。習慣化で効率も上がり、まさに一石二鳥といえます。
脳は成長して賢くなると、喜んでもっと働くようになります。それがさらなる成長へと導き、自分の能力を伸ばすことにつながるのです。

加藤俊徳
株式会社脳の学校代表。小児科専門医。医学博士。加藤プラチナクリニック院長。昭和医科大学客員教授。米国・ミネソタ大学で脳画像研究に従事。加藤式脳画像診断法を用いて、1万人以上を診断・治療。脳を機能別領域に分類した脳番地トレーニング法を開発。自らの体験からひらがな音読困難症状を改善する「脳活性助詞強調おんどく法」を考案
イラスト:さいとうひさし