――視覚を使う勉強でも、聴覚も駆使すれば頭に定着しやすくなるわけですね。つまり「音読」が大切とのことですが、さらに意識することはありますか。
私のオススメは、「助詞を強調する音読法」です。
本を読むとき、文章中の「は」「が」などの助詞を、大きな声ではっきりと音読してみてください。脳が自分の声を聞こうと働き、聞く力が鍛えられます。

例えば、「今日『の』昼ご飯『は』おにぎり『を』食べました」。この文章の「の」「は」「を」を助詞を強調して言ってみましょう。
音読は私が提唱する8つの「脳番地」を同時に働かせることができる、とてもいい勉強法なのです。
子どもも大人も使える!脳の成長で大事な3つ
――音で理解することが脳の成長につながる第一歩ということが分かりました。このほか、大人も子供もすぐに実践できる、脳の成長につながる習慣はありますか?
身近なこととして3つの習慣があげられます。
一つ目は、睡眠時間の確保です。
子供も大人も睡眠時間を削っていいことはありません。オンとオフの「オフ」をしっかりとって、体を休ませることが重要です。
特に小学生のうちは1日9~10時間寝るようにしましょう。昼間に勉強していても疲れたら10分くらい横になるのもよいです。親御さんはお子さんの起きる時間と寝る時間を決めて、生活リズムを整える仕組みを作ってあげましょう。
私は毎日9時間の睡眠時間を確保するようにしています。現在64歳ですが、睡眠が6~7時間ほどの50代前半に比べて、睡眠時間を延ばしただけで記憶が良くなっていると実感しています。