脳を鍛えるには音読が大事!?

――実際、自分の脳が成長していると実感するのは難しいのではと思います。脳の成長を知る方法があれば教えてください。

まずは以下の3つの文を一度で覚えて口に出して言ってみてください。

「昨日は雨でした。今日は雪です。明日は晴れるかな」

これをすぐ復唱できる人は、私が提唱している脳番地の一つ「聞く力」が得意な人です。

この3つの文のポイントは、「天気と語尾がそれぞれ違うこと」です。言葉の内容と語尾を意識すると、「聞く力」が強化され、自分や相手が何を話しているかが理解できるようになります。

聴覚を訓練することは、脳を鍛えることにもつながるのです。

耳を鍛えることで学力もUP?

――今のお話でも出てきたように脳の成長の基本要素として「聴覚」を挙げていますが、なぜ鍛えることが必要なのでしょうか。

先ほど挙げた3文をお子さんがすぐに復唱できたら、学校の授業をあまり苦労することなく聞けていると思います。学校の授業は先生の話を「聞く」ことばかりです。

話や言葉を耳で聞く、つまり音で理解します。聞いて理解ができないことは、勉強についていけないことにつながると私は考えています。これは大人になっても、影響をもたらします。

脳の学校代表で小児科専門医の加藤俊徳さん
脳の学校代表で小児科専門医の加藤俊徳さん

小学生の頃の私は、教科書を声に出して読む時間のある国語の授業が苦手でした。すらすらと読めなかったので。理由はひらがなを読むのが苦手だったからです。

そこで、苦手なことは耳で理解したら覚えやすくなるのでは、と考えました。本でも「漢字が覚えられないときは、『聞く・見る・動く力』を使って、音読しながら書き取りをすると忘れにくく、思い出しやすい」と紹介しています。