得意なことと好きなことは違う?
――「好きはものの上手なれ」という言葉がありますが、好きなこと=得意なこととは限らないのでしょうか?
正しくは「好きなことならば、不得意を乗り越えていずれ得意になっていく」ということです。得意かどうかはおいておいて、僕自身の話をすると「聞く」より「見る」方が理解しやすいのです。
ただ好きなことなら何時間でも続けられますよね。その間、情報はどんどん入ってきます。それで脳は成長するわけですから、結果的に得意分野となる。
また、脳は入ってくる情報によって得意分野も変わります。脳番地のように、人それぞれ伸びやすい領域があり、そこには情報がどんどん入ってくるでしょう。
子供の能力を伸ばすには、まず脳の得意を見つけること。そのためにたくさんの情報を得られる経験ができる機会をつくるといいかもしれない。

加藤俊徳
株式会社脳の学校代表。小児科専門医。医学博士。加藤プラチナクリニック院長。昭和医科大学客員教授。米国・ミネソタ大学で脳画像研究に従事。加藤式脳画像診断法を用いて、1万人以上を診断・治療。脳を機能別領域に分類した脳番地トレーニング法を開発。自らの体験からひらがな音読困難症状を改善する「脳活性助詞強調おんどく法」を考案