3月に入り、暖かな日が次第に増えてきたこの時季に楽しみたい、見た目も華やかな春色スイーツを愛媛県の東予と南予で見つけてきた。
梅の香りに包まれて猫が出迎えてくれる不思議空間
学問の神様・菅原道真を祀る今治市桜井の綱敷天満神社の境内には、道真が愛したと言われる梅が12種類、約400本植えられている。
2025年は寒波の影響で例年より1か月以上も開花が遅れたが、3月6日時点で見頃を迎え、白やピンクの梅が咲き誇り、あたりには梅の甘い香りが漂っている。訪れた市民は「やっと花が咲いてこれから暖かくなっていくかな」「寒い寒いと言ってもやっぱり春はすぐそこまで来てますね」と春の訪れを喜ぶ様子だった。
この綱敷天満神社のすぐそばに2024年11月にオープンしたのが「サクラ咲くフルーツ店」だ。
お店に一歩足を踏み入れると、猫が出迎えてくれた。中学・高校の同級生だったオーナーと店長が古民家を改装した店内は、カラフルな内装にあちこちに猫の姿が見られる。
井上広子店長は「古民家をリフォームして作っていますので、神棚とか床の間はそのままで作ってるんです」と内装に古民家らしさを残したポイントを説明した。
奥に進むと巨大な猫のオブジェもある。井上店長は「こちらは先代の店長です。時々子供がワーッてなった時に前に出てアピールしたりします」と話し、動くこともあるそうだ。
春の彩りを詰め込んだ「フルーツプレート」と「サクラ咲く餅」
そんな個性たっぷりの店で味わえる春スイーツの目玉は、「季節のフルーツプレート」。
ドラゴンフルーツやイチゴ、柑橘など7種類ほどの季節のフルーツを鮮やかに盛り付けた一皿だ。フルーツアレンジメントの講師を務めるオーナーが一つひとつ美しく仕上げている。
特に2025年にデビューしたばかりの愛媛の「紅プリンセス」は艶やかな見た目が印象的だ。初めて紅プリンセスを食べた鈴木瑠梨アナウンサーは「とろけるような食感と濃厚な甘味、本当にみずみずしいです」と春の味に満足げだ。
もう一つの注目スイーツは「サクラ咲く餅」だ。自家製の餅の中にたっぷりのあんこが入った一品で、3月6日からは春限定の桜あんバージョンも登場した。
鈴木瑠梨アナウンサーが試食し、「もちもち食感に、鼻に抜けていくサクラの風味、程よい塩っけがあっておいしいです」と絶賛した。
大澤舞子オーナーは「綱敷天満宮さんのすぐそばで店をオープンすることになったので、福岡の太宰府天満宮さんと同じように、なにかインパクトのあるものを作れたらと思って」と開発の経緯を説明し、「サクラ咲く餅やドリンクをテイクアウトしていただいて綱敷天満宮にお参りしたり、志島ヶ原に散策に行くのも楽しみの一つ」と楽しみ方もオススメしてくれた。
店の看板猫のシンディーちゃんとサンダーくんは子供たちにも大人気だ。別世界のような空間でくつろぎのひと時が過ごせそうだ。
老舗が贈る驚異のいちごパフェ その数なんと11個
一方、南予・八幡浜市新町商店街の「喫茶モンブラン」では、別の春スイーツが目を引く。1978年創業の喫茶店で、カラフルなステンドグラスにベロア素材の赤いソファーとレトロな雰囲気が漂う空間だ。
その店の春スイーツは見た目からして驚きの「いちごパフェ」。テーブルに運ばれてきたのは、今にもこぼれそうなほどたっぷりのイチゴがのったパフェだ。「え…すごい…イチゴのせすぎじゃないですか?」と驚きの声が漏れるほどのボリューム。
毎年1月から4月末までの期間限定メニューで、バニラやイチゴのアイスクリームの上に、大洲産のイチゴをなんと11個も贅沢に盛り付けている。鈴木瑠梨アナウンサーが実食すると「ジューシーなイチゴの甘酸っぱさと、アイスの甘さがよく合います。こんなにイチゴを食べられるなんて本当にうれしいです。春、来ましたね」と笑顔があふれた。
喫茶モンブランの菊池文利さんは「創業当時からずっといちごパフェはやっているんです。イチゴちょこっと乗っけるよりは、イチゴらしさを表に出して、できるだけいっぱい多く食べてもらいたい」と笑顔で語った。
近年はSNSの口コミを見て訪れるお客さんも多いといい、この日も伊方町から来たという客は「なかなかインパクトがあっていい」「イチゴがたくさんで目で楽しんで、味で楽しんでます」と満足げだ。
このボリュームでありながら価格は1220円。物価高が続く中「イチゴもそうですし、中に入っているクリームもそうですけど、全部上がってるんで、なかなか厳しいのは厳しいんですけど、できるだけ安く、食べやすい価格にしてる」と菊池さんは語る。
「春といえばイチゴ、それで味わっていただいて春の到来を感じていただけたら」という店の願いが込められた一品だ。
見た目も華やかなスイーツで春を満喫してみてはいかがだろうか。
（テレビ愛媛）
