3月26日からボストンで開幕する世界フィギュアスケート選手権。
今季GPシリーズ初優勝、GPファイナルで3位となった佐藤駿(21)。
「全日本優勝」を公言し勝負に挑むも、実力を発揮できず7位と悔しい結果に。
それでもシーズン前半戦の実績が評価され、初の世界選手権への切符をつかんだ。
年明け4連戦をこなし、武器の4回転ルッツと4回転フリップの同時成功へ向け練習に励む佐藤のもとに駆けつけたのは宇野昌磨。今の佐藤と共感することがあると自身の経験を交えて語り合う。
好調だったシーズン前半戦
今シーズン前半、佐藤の武器である4回転ルッツが好調だった。着氷率は89%(※全日本前まで)と絶好調で、シニア6年目でGPシリーズ初優勝、GPファイナルで初の表彰台を果たし、イリア・マリニンや鍵山優真に次ぐ3位となる。
自信を得た佐藤は全日本選手権で「優勝」を目標に掲げて挑むが、ショートで4回転ルッツのミスが響き、7位で終わる。

この全日本を振り返って佐藤は「GPファイナルが終わってからの練習はすごく調子が良くて、今シーズン一番と言ってもいいほどだった。そんな中で全日本のショートは失敗で動揺してしまい、それをフリーまで引きずってしまったのかな」と語る。
本番で自分の力を出し切れないという悩みを抱える佐藤は、全日本選手権で解説をしていて演技を見ていた宇野に「自分の演技に迷いがあったか」と尋ねる。

すると宇野は、「迷いとは違うと思います。失敗について本人しかわからないこともありますが、今日の練習を見る限り、表情やスケートからも迷いは感じませんし、彼はすごいことをしています」と答えた。