わが子の発育に不安を抱える親は多い。最近よく見聞きする、発達障がいやグレーゾーンかもしれないと思うこともあるだろう。

発達障がい専門の運動療育に携わり、運動教室「LUMO」を運営する松本哲さんは、本間龍介医師監修の独自プログラムのもと、発達障がいやグレーゾーンの子どもが運動を通して改善していくことを目指している。

『発達障がい&グレーゾーン 楽しく遊びながら子どもの「発達」を引き出す本』(青春出版社)から、緊張しやすかったり怖がりな子に残る原始反射のひとつ「モロー反射」のととのえ方について、一部抜粋・再編集して紹介する。

原始反射とは?

<いわゆる反射とは、大脳をささえる幹のような形をしている部分=「脳幹」による反応。熱いものに触れたときにパッと手を引っ込めたりするような、身の危険をすばやく避けるための反応のこと。

なかでも原始反射は、乳児期早期に見られる反射で、生まれたばかりの赤ちゃんが生き延びるためのものであり、個人差はあるものの、成長し運動機能が発達していくにつれて自然と統合していく。

しかし、「大きな音や突然の光に過剰に反応する」「うるさいところが苦手」といった、原始反射が残存している子どもが増えているという。>

本間医師の解説で、「うちの子、そういえば突然の音にビクッとなるからモロー反射が残っているのかなあ」「姿勢が悪いのは原始反射(STNR・TLRなど)だったの?」などと腑に落ちた方も多いのではないでしょうか。

乳児期早期に見られる原始反射は成長と共に自然と統合される(画像:イメージ)
乳児期早期に見られる原始反射は成長と共に自然と統合される(画像:イメージ)
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原始反射が残っていることで、子どもの困った行動や癖が出てしまう。その原始反射がなくなれば、その行動や癖は出にくくなります。

たとえば、癇癪(かんしゃく)が強い子どもや、緊張しやすい子、怖がりな子には、原始反射の中でも肝といわれる、「モロー反射」が残っている場合がとても多いものです。