子どもの発語が遅かったり、うまく話せなかったりすると、親は不安になるだろう。
これらには原始反射のなかでも口まわりの反射が残っていることが主な問題として挙げられるという。
発達障がい専門の運動療育に携わり、運動教室「LUMO」を運営する著者の松本哲さんと、「LUMO」での独自プログラムを作り、本間龍介医師監修の『発達障がい&グレーゾーン 楽しく遊びながら子どもの「発達」を引き出す本』(青春出版社)から一部抜粋・再編集して紹介する。
発語・滑舌に関わる口まわりの反射
発語の遅れや滑舌の悪さに悩んでいるお母さん、お父さんも多いのではないでしょうか。
小さいうちは、たどたどしいしゃべり方がかわいかったのが、どうもそういうわけではないらしい。
「どうやらほかの子と比べて遅れているようだ」。子どもが成長するにつれ、お母さんやお父さんは不安になるようですが、そのタイミングとして多いのが保育園や幼稚園の入園時です。
発語がないと友だちとも関係性が築きにくいですし、園の先生からも指摘され、公的機関を訪ねたり、病院に行ったりするけれども、なかなか思うようにならない。結局どうすればいいかわからず、悩みを深めて、LUMOを訪ねて来られる方もいます。

発語ができない=自分の思いが届けられないことになり、癇癪を起こすという声も、よく聞きます。
発語や滑舌には、口まわりの反射がかかわっています。
【口まわりの反射:
■探索反射(口まわりの刺激に敏感に反応する反射で、偏食だったり滑舌が悪かったり、発語トラブルがある)
■吸啜反射(口に入ってきたものに吸い付く反射で、おしゃぶり癖や爪をかむ癖がある)】
口まわりの刺激が足りないため、風船をふくらますことができない子も多いです。同じ理由で、浮き輪に空気を入れられない、風船ガムで風船をつくれない、口笛を吹けない子も。
そもそも、子どもにとって風船をふくらませるのはハードルが高いので、LUMOではでき上がった風船を口で吹いて飛ばしながら移動する遊びをしています。