1月26日の山形県知事選挙で、現職の吉村美栄子氏が5回目の当選を決めた。女性知事の5選は全国で初めて。一方で、投票率が過去最低となり、有権者の関心は高まらなかった。
得票率は94.71% 多選への批判も
現職の吉村美栄子氏は31万8000票余りを獲得し、94.71%の得票率で新人の金山屯氏を退け、5回目の当選を決めた。5回の当選は、女性知事として全国で歴代最多となる。

投票結果は、現職・吉村美栄子氏が31万8364票。新人・金山屯氏が1万7794票だった。

吉村氏は「県民が笑顔で幸せを実感しながら生活できる県にしたい。『安全安心』も今度はそれに含め、誰もが暮らしやすく、県民一人一人が輝いて生きていける安全安心な山形県をつくっていきたい」と述べた。

信任を得た一方、多選への批判もあるが、吉村氏は「安定した県政運営につながる」と強調。「長くやっている中で、トンネルなど大きなプロジェクトは、継続して取り組んで前に進められる利点もある。両方とも真摯に受け止め、できる限りの活動をしていきたい」と述べた。

当選から一夜明けた選挙事務所では陣営のスタッフから改めて祝福を受け、吉村氏は「新聞を拝見して実感が湧いてきた。責任の重さをますます痛感している」と、5期目への気持ちを新たにしていた。
大雨災害からの復旧復興と人口減少の課題
5期目挑戦の決め手となったのは、2024年の大雨災害だ。
選挙期間中、大きな被害が出た庄内と最上を訪れた吉村氏は酒田市で、「地域防災力の強化、治水対策などハード・ソフトの両面から災害に強い、県土強靭化を頑張っていきたい」と訴えた。

仮設住宅で暮らし、集団移転を検討する住民たちの切実な思い。「早期の復旧実現」は、すぐに取り組むべき重要課題だ。

吉村氏は「『一日も早い復旧復興を頑張ってほしい』と、被災していない県民からもたくさん言われた。それが県民の気持ちだと思う。どういう状況で何が必要か、話を聞きながら寄り添い進めていきたい」と述べた。
また、地方で特に顕著な「人口減少」。山形県の人口も2025年内に100万人を割り込む見通しで、結婚・子育て支援、移住者の増加策などにも積極さと大胆さが求められる。
吉村氏は「関係人口・交流人口の拡大に力を入れて突破口にし、経済活性化を図りながら、定住・移住につなげていく」と話す。

一方で、低調な論戦に終わった選挙戦。40%を下回った投票率は、戦後18回の県知事選の中で最低を更新した。
吉村氏は27日午後から公務に戻り、早速、新年度の予算案作りをスタートさせた。
(さくらんぼテレビ)