これから2月にかけて、東京は大雪に注意が必要だ。
東京の雪は、春に向かう1月末から2月に降ることが多い。
1991年から2020年の30年間について、東京の雪日数は2月が最も多く、月平均で3.5日となっている。
これは、1月の2.8日よりも多い。
雪というと、寒気がやってくるから、というのが一般的だが、東京や関東南部の雪についてはあまりあてはまらない。
寒波が来て、冬型が強まると日本海側は雪が降り、太平洋側でも雪が降る場合もあるが、東京についてはこのパターンではあまり降らない。

では、どういう時か?
東京で積もるような雪が降るのは、低気圧が伊豆諸島付近を東に進む場合で、この低気圧を「南岸低気圧」と呼ぶ。
そして、この低気圧が伊豆諸島付近を通るようになるのは、季節が冬から春に向かう2月から3月だ。
南岸低気圧は、暖かい空気が日本の方に流入するのが原因なので、寒さの底を越えて、春の暖かさを感じるようになるころにやってくる。
つまり、暖かくなってくるこれからの時期である。
そして、この南岸低気圧が雨をもたらすのか?それとも雪を降らせるのか?これがなんとも微妙で、気象予報士泣かせである。
気温が0.5℃違っただけで、雨のはずが大雪になる場合がある。
そもそも予想気温は通常、0.5℃単位では予想していないし、そこまでの予測精度もない。
さらに予想気温と実際の気温の差も通常±1~2℃あり、このため、0.5℃の差で一変する東京の雪雨予想は、気温予想の難しさがネックになる。
今のところ、来週火曜日(28日)に東京で雨が予想されている。
これが雪になる可能性は現時点では低いが、その先、週間予報で雨が予報されたときは、雪の場合もあることを考えていただければと思う。
三井良浩(フジテレビ気象センター)