まず初めに私たちが知っておきたい事実は、「期待する」というのは人間の本能的な衝動のひとつであることということ。

つまり、期待は理性的な思考というよりは、なぜかわからないけれど湧き上がってくる感覚のひとつで、基本的には理性でコントロールできるものではありません。

そして、その衝動により、私たちは、とってもワクワクしたり、期待が叶わず悲しい気持ちになったりと、プラス・マイナス両方の感情を感じたりしています。これもとても珍しいことで、感情をプラスにもマイナスにも揺さぶるという厄介な特性を持っているのが期待だったりします。

期待には2つのパターンがある

「期待」と聞いて、あなたはどんなイメージを持ちますか?

つい期待しすぎてしまうこともある(画像:イメージ)
つい期待しすぎてしまうこともある(画像:イメージ)

私が本書を書くにあたり、仲のいい知人に「今度の本は期待がテーマなんだよね」と伝えると、たいてい「あ~、期待ね~、あるある、ついつい期待しすぎちゃうんだよね」と口を揃えて言います。

どうやら、「期待」には、「期待しすぎてしまう」というお困りごとや「期待外れ」を不安に思うイメージが強いようです。言い換えると、多くの人が、期待とのつき合い方に何らかの悩みを抱えながら生きている。

もしかすると、私たちは、「期待」という衝動の取り扱い方を知らないまま、歳を重ねている、と言ったら少し言葉が過ぎるでしょうか?

ここでひとつ大切なことをお伝えするのですが、私たちの「期待」とのおつき合いには、2つのパターンが存在します。

ひとつは「期待をかける側」で、もうひとつは「期待される側」です。