阪神・淡路大震災から1月17日で30年。あの日の教訓を考える2日目のテーマは「記録」。
被災者に寄り添い続けたボランティア団体の30年を追う。

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ボランティア団体「よろず相談室」の元代表・牧秀一さん(74)。

地震の激しい揺れでも、兵庫・神戸市東灘区の自宅は倒壊を免れ、避難所を訪れて被災者の悩みに耳を傾けるボランティアを始めた。

翌年には、誰でも立ち寄れる談話室のような「よろず相談室」を立ち上げ、被災者がつながれる場所に発展させた。

牧秀一さん(74):
毎日孤独死とか自殺、病死がある。それがずっと続くんだろうと気になって、なんとかできないかなと。

被災者が避難所から仮設住宅や復興住宅に移り、孤独に陥った時も寄り添い続けた牧さん。
気づけば10年、20年が過ぎていた。

避難所時代から支援を受ける被災者は「先生がこうやって来てくれるから、元気でおらなあかんなって。先生の顔見るまで頑張らないとって」と話す。

牧さんが復興住宅の訪問記録を見せてくれた。

こうして困りごとを聞き取ってきた活動記録は、様々な被災経験をした一人一人が、その後、必死に生きてきた証だ。

牧さんは30年を前に、これらの記録を震災の教訓を後世に残す施設「人と防災未来センター」に託すことにした。

活動の中で、震災のけがの後遺症に苦しむ「震災障害者」とも向き合った。

多くの犠牲者の陰で苦しみを周りに話せなかった震災障害者について、記録も参考に国レベルでの支援につながることを期待している。

牧秀一さん(74):
紙ベースの人の手で書いた記録が、人と人との関係を書いている。それがとても大事なことかなと思ってるねん。

「よろず相談室」の歩みが被災者への寄り添い方を問いかけ続ける。
(「Live News days」1月15日放送より)

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