静岡市葵区の北街道沿い。太田町の信号機だけが他の信号機とはちょっと違うとSNSで話題になっていたので、真相を調べた。

緑の信号があったのは太田町だけ

にむらあつとリポーターがやってきたのは、北街道の太田町交差点だ。一般的な信号機の色はグレーだが、太田町交差点を境に清水方面の信号機が緑色だった。

にむらあつとリポーター
にむらあつとリポーター
この記事の画像(10枚)

車の信号も、歩行者の信号も緑に塗られている。もちろんライトは赤・青・黄の3色だが、信号機の本体が緑色なのだ。なぜ緑色なのだろうか。

さらに歩いていると、緑の雨よけが軒に付いているお店があちこちにある。雨よけには「太田町」と書かれていた。

にむらあつとリポーター:
街灯もおしゃれ、緑色で洋風です。緑が多いまち「太田町」ということでしょうか。パリみたいな感じです

足元には草花が植えられていて、こちらも緑。緑の街がどこまで続くのか歩いてみると、やはり太田町のエリアのみ緑色のようだ。

静岡学園のカラーは「緑」

なにかヒントがないか、北街道から南側の太田町エリアも調査してみた。そこにあったのはサッカーの名門校として全国的にも有名な静岡学園だ。

にむらリポーター:
静岡学園のバスの車体も緑。学校の倉庫の文字まで緑

静岡学園のスクールカラーは「緑」。全部がつながったかもしれない!

街灯に付いていた旗もよく見てみると「太田町×静学」と書かれているではないか。これはもうゴールでは?

太田町と静学がタッグを組んで、町を静学カラーの緑にしたと予想した、にむらリポーター。真偽を確かめるべく町をさらに歩く。

緑になったのは静学移転の前だった

ショーウィンドーに昔の北街道の写真を飾っていたお店があったので、情報を求めて寄ってみることにした。

住宅リフォームを手掛ける「ナカノ」は、なんと130年ほどの歴史がある老舗!

ナカノで昔の太田町の写真を発見
ナカノで昔の太田町の写真を発見

店内には戦前の教科書も展示されている。対応してくれた山本妙子さんの父親が、太田町に関する資料や歴史をまとめるのが好きだったそうで、太田町の資料なども大量に保存してあった。

太田町の緑、その真相を山本さんは知っているそうだ。にむらリポーターは予測をぶつけてみた。

ナカノ・山本妙子さん:
(Q.静学カラーを太田町全体の色にしたのでは)惜しいです。静岡学園が移転して来たのでコラボしたというのは正解です

静岡学園中学校・高等学校が太田町・瓦場町・東鷹匠にまたがる現在の場所に移転したのは2011年。しかし、太田町のあれこれを緑に統一したのはもっと前なのだ。

太田町は電線の地中化やアーケードの撤去を2002年にした。

その際に歴史的にも古い商店街なので、町のデザインを一新し、他と差別化しようと街灯や信号機を高級仕様にしたそうだ。

街をデザインし直す中で生まれたのが、緑色の街灯と緑色の信号だったのだ。

静岡学園の緑と当初は関係なく、後にたまたま緑がスクールカラーの静岡学園が移転してきて、コラボすることになった。店舗前の雨除けはもともと赤だったが、緑に変えると同時に「太田町」のロゴも静岡学園の生徒にデザインしてもらったそうだ。

年に1度開催される地域のお祭りにも静学の生徒が参加し、部活の発表の場などにもなっている。たまたま緑色でつながったのは、なにかの縁。

ナカノ・山本妙子さん:
お花を植えるとき、地域の方も手伝ってくれます。太田町キレイだねと言ってもらえるのが嬉しいので、続けていけたらと思います

太田町の「緑」は、みんなをつなげてくれる「緑」だった。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
テレビ静岡

静岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。