鹿児島県曽於市のPRを担う「そお市観光大使」に、2026年5月28日、地元企業に勤める2人の女性が新たに就任した。全国的に「観光大使」「親善大使」を廃止する自治体が増えるなか、そお市観光大使は大隅半島で唯一残る観光大使として、その存在感をあらためて示している。

「曽於の魅力を伝えたくて」――新大使2人が誕生

就任式は5月28日に行われた。新しくそお市観光大使に任命されたのは、曽於市在住の会社員・大迫あか音さんと、同じく曽於市在住の会社員・福地由佳さんの2人だ。就任にあたり、1年先輩の大使である山口優莉美さんから2人へとたすきがかけられた。

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大迫さんは、就任の動機をこう語る。「私は幼い頃から曽於市で育ってきて、1度は曽於市を離れた時期もあったんですけど、また戻って来た時に曽於市の良さを改めて感じて、今度は魅力をたくさんの人に伝えたくて応募しました」。地元を一度離れたからこそ感じた曽於の良さが、応募の原動力になったという。

一方、福地さんは「選ばれて嬉しい反面緊張するのが、すごく強くあります」と、喜びと緊張が入り混じった心境を明かした。

そお市観光大使は、曽於市観光協会が任命する制度で、任期は2年間。毎年1人、もしくは2人ずつ交代しながら、県内外で曽於市の魅力を発信し続けている。

廃止の波――大隅で唯一残る観光大使

そお市観光大使が注目を集める背景には、全国的な「大使廃止」の流れがある。

鹿児島市は「かごしま親善大使」を2年前に廃止。霧島市も2026年3月いっぱいで「霧島ふるさと大使」を廃止したばかりだ。鹿屋市でも、かつては市民参加の選考会で選ばれたローズクイーンがPRに活躍していたが、4年前に活動を終了している。

廃止の要因として挙げられるのは、観光PRの主戦場がSNSなどネット中心にシフトしてきたこと、そしてコロナ禍を境にイベントが減り、大使が活躍できる「出番」が減ったことだ。

こうした状況はそお市観光大使にも無縁ではない。曽於市観光協会の光行希咲さんは現状をこう話す。「応募はやっぱり少なくて、お願いして回ることが多い。たまに自薦で『(観光大使を)やりたい』という子がいるので、面接している。曽於市のために、曽於市が好きだからということで観光大使になってもらっているので、ありがたい」。

それでも、大隅半島で唯一の観光大使として制度を守り続けているのは、「曽於が好き」という人の気持ちがあるからにほかならない。

3人が語る、曽於のおすすめスポット・グルメ

3人の大使に、曽於のおすすめを聞いてみた。

山口優莉美さんが推すのは、財部町にある溝ノ口洞穴だ。「令和3年に国指定文化財となりまして、夏にはマイナスイオンを感じられるとても涼しい場所となっております」と、その魅力を語る。歴史的価値と自然の涼しさを兼ね備えたスポットとして、夏の訪問に特におすすめだという。

大迫さんのおすすめは、曽於市の特産物・ユズだ。「私は幼い頃おばあちゃんちでよくユズ風呂につかっていました。今はゆずゼリーを冷凍して食べるのが好きです。ぜひ食べてみてください」。幼少期の思い出と結びついた、地元ならではの味覚だ。

福地さんが紹介するのは道の駅すえよしで、「地元の野菜を使ったバイキングがオススメです。地元の方が作られているのでぜひ食べに来てください」と笑顔で勧める。地元産の野菜をふんだんに使った手作りの料理が楽しめる。

取材の最後、3人はそろってこう呼びかけた。「そおだ!曽於に行こう」。

溝ノ口洞穴の涼しさ、ユズの香り、道の駅のバイキング――。大隅唯一の観光大使たちが愛してやまない曽於市の魅力は、まだまだ尽きない。

【動画で見る▶曽於市「そお市観光大使」お披露目 大隅で唯一の観光大使として地域PRを担う】

鹿児島テレビ
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