シリーズでお伝えしている「2025年注目の○○」。

今回は北海道から。

「アザラー」が急増中

北海道で見ることができる野生のアザラシ。

今、かわいいアザラシを愛してやまない人たち、人呼んで「アザラー」が急増中だ。

2024年12月中旬、冬期営業を開始した北海道のおたる水族館。

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人気のアザラシを写真に収めようと多くの客がカメラを構えている。

彼らの正体は。

「アザラーです」(大阪から)

時は1990年代。

街にあふれたのは歌手の安室奈美恵さんに憧れたアムラーと呼ばれる人たち。

あれから30年、アザラーとは一体?

「アザラーはアザラシを愛してやまない(人のこと)。(Q:近年増えている?)増えていると思う。SNSを通じて投稿が増えてきたのが一番の要因と思う」(おたる水族館 濱夏樹さん)

SNSを通じてアザラシに魅了される人が急増中。

2025年注目のアザラー、その人生を見つめる。

流木でアザラシ作るアーティスト 移住した町でアザラシにハートを射抜かれる

2024年3月、利尻山を臨む海岸で流木を集めていたのはアーティストのぴすぴすさんだ。

幌延町に住むぴすぴすさんが作るアートとは?

「アザラシを作っている。こんな感じです」(ぴすぴすさん)

流木から生まれたアザラシだ。

ぴすぴすさんの作品は1つ3500円ほど。

ハンドメイドのイベントでは完売するほどの人気を誇る。

彼女もまた、アザラシを愛してやまないアザラーだ。

「道北に来て野生のアザラシがいることを知り本当に感動した。本当にいるんだと驚いた」(ぴすぴすさん)

2020年、夫婦で引っ越してきた幌延町で初めて野生のアザラシを目にし、その姿に心を射抜かれた。

それ以来、野生のアザラシを撮影しようと北海道各地に足を運ぶ日々が続いている。

ついには流木でアザラシを作り始め、アザラシのアートを生業にするほど、アザラシ漬けの生活を送るようになった。

「アザラシとは人生を変えてくれた動物。1つの動物に夢中になったのは初めてだ」(ぴすぴすさん)

冬のアザラシ保護施設もアザラーの“聖地”に

続いては、冬には流氷観光で賑わうオホーツクの紋別市。

「見てください、観光案内所にアザラシがいますよ!かわいい」(安野陽介ディレクター)

出迎えてくれたのは紋別市のご当地キャラクター「紋太くん」。

腹巻をしたおじさん風のアザラシだ。

紋別市では野生のアザラシを見ることができ、市民には身近な存在となっている。

「とっかりセンターという施設があり、アザラーの聖地となっている」(紋別観光案内所 阿藤光平さん)

紋別市中心部から車で約10分のところにある「オホーツクとっかりセンター」。

「いきなりですよ、かわいいアザラシがこんなにも!」(安野ディレクター)

“とっかり”とはアイヌ語でアザラシのこと。

ここは傷ついたアザラシを保護し、野生に返すことを目的とした施設で、現在20頭以上が保護されているが、観光施設としての側面もある。

「アザラーです。自分でハンドサインを出すのは初めてで、すごく貴重な経験になった」(兵庫県から)

新婚旅行の目的の1つとして訪れたという夫婦。

まさに全国のアザラーが憧れる聖地だ。

奈良県出身で勤務4年目の飼育員、原瑞葵さん。

「元々アザラシのキャラクターがすごく好きで、そこからアザラシ自体に興味を持った。アザラシに特化した飼育員になりたくてここの求人が出ないかと毎日検索していた」(とっかりセンター 原瑞葵さん)

大学では水産学部に通いアザラシの研究もしていたという、まさに生粋のアザラーだ。

「(Q:寒くてもアザラーの客が来るんですね?)全然来ます。むしろ雪とアザラシの組み合わせがアザラーの人には響く。SNSを通して毎日アザラシたちの動画や写真を載せているので(来てくれる)」(原さん)

全国のアザラーたちを引き寄せているのは、やはりSNSの影響だ。

100万回以上の再生数に及ぶ動画も少なくない。

原さん、かつては見る側だったアザラシたちの動画を、今では配信する側となった。

アザラー飼育員の原さんにとって、アザラシとは?

「生きていく上で必要不可欠な存在。今年はよりアザラシの魅力を伝え、新しいアザラーをたくさん増やしていきたい」(原さん)

北海道文化放送
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