30代から40代でがっちりタイプ

春田は身長が160センチ余りと小柄だ。それを見て古川代理は身長170センチある連れの滝田を指さして、「彼が170センチくらいありますが、彼くらいタッパがありましたか?」と聞いた。

すると春田は「なんだか、見上げた感じがしたので、もう少し高かったような気がします」と答える。

179センチある古川代理が滝田の代わりに立ってみた。すると春田は「そうですね」と答えた。このやり取りから犯人の推定身長の上限が180センチとなった。

この年の10月、再び聴取を受けた春田は、「175センチ前後だったと思う」と目撃証言を修正している。

銃撃犯役の警察官が現場で拳銃を構えて犯行を再現した
銃撃犯役の警察官が現場で拳銃を構えて犯行を再現した

また春田は男とすれ違った際、「雨の滴を右手で振り払った仕草から私より若い感じで30代から40代に見えました」とも話す。

男は黒縁や茶縁ではなく、縁なし眼鏡をかけ、体格は中肉で肩が張っているがっちりタイプ。濃紺のメトロ帽に濃紺のレインコート、黒のかまぼこ型のスポーツバッグを持っていたという。

この情報はその日の捜査会議ですぐに報告された。

捜査会議を実質取り仕切るひな壇に座る理事官は、「有力な目撃情報である。他に目撃情報について報告したい者はいるか」と叫んだ。