2025年1月5日に開幕する「春の高校バレー」。大分県代表として2年連続で大会に出場する大分南高校を取材。全国大会出場を決めた裏にはエースとキャプテンのある青春物語があった。

高さと力強いスパイクが持ち味の2024年の大分南

大分南高校
大分南高校
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2年連続で春高バレーの切符をつかんだ大分南。組み合わせ抽選の結果、初戦で徳島科学技術と対戦することが決まり、チームの士気はさらに高まっている。

「1日1日、1時間、1分が大切」部員たちにこう話すのは、大分南の柿原茂徳監督である。
2024年のチームは中学時代に県選抜として全国大会を経験したメンバーが中心。レギュラー6人中、4人が身長180センチ越えという高さと力強いスパイクが持ち味である。

「自分の中では春高は夢の舞台として楽しみ」3年の上野樹希選手も気合十分に話す。

チームのエースは最高到達点3メートル40センチを誇る選手

大分南3年・水田凰雅選手
大分南3年・水田凰雅選手

「エースとしてチームを支えられるような存在になって下級生が少しでもやりやすい環境を作っていくのが自分の目標なので頑張っていきたい」そう語るのはチームのエースで、全国トップクラスの最高到達点3メートル40センチを誇る3年の水田凰雅選手。
競技を始めたのは中学生からと、決してキャリアは長くないが高校で急成長を遂げた。

ただ、2024年のチームは決して全てが順風満帆というわけではなかった。

キャプテンの強い思いがエースの引退を引き留める

6月に行われた県高校総体では、優勝候補筆頭と言われながらライバルの大分工業に敗れ、準優勝に終わった。
思うようにいかない中、エースの水田選手は夏の大会後、一度、引退も考えたという。
ただ、そんな水田選手を引き留めたのは同じ3年生でキャプテンの渡辺豊志選手だった。

大分南3年・渡辺豊志主将
大分南3年・渡辺豊志主将

渡辺豊志主将は当時のことを振り返り「1つの柱が抜けたらチームがどんどん崩れていくという状況になりそうだったので、お前がおらんとチームは成り立たんよっていうことを伝えた」と語る

主将がエースに託す最後の1本

「水田選手と一緒に春高へ」そんな渡辺選手のエースに対する強い思いが見えたのは県大会の決勝戦、最後の場面だった。

ー実況「エースの水田が上げた。渡辺から水田が飛んできた!」

セッターの渡辺主将が最後の1本を託したのは水田選手だった。

大分南
大分南

その時のことを渡辺主将は「エース自身も一番苦しかったと思うし、最後はその気持ちを乗せてほしいと思って最後は水田に託した」と話す。

そんな渡辺主将の思いにこたえるように、水田選手は「やっぱり豊志はチームには欠かせない存在だと思っている」と渡辺選手について話している。

エースの完全復活で再び息を吹き返した大分南。2023年、果たせなかった初戦突破の先に大きな目標を見据えている。

大分南
大分南

渡辺主将は「初の全国ベスト8を目指してチーム一丸で頑張る」と力強く語る。大分南は1月5日、徳島科学技術と対戦。

(テレビ大分)

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