大接戦が予想されたアメリカ大統領選挙。
結果は、共和党のドナルド・トランプ氏が7つの激戦州すべてで勝利するなど、圧倒的な強さを見せました。

※日本時間 午前8時半時点
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トランプ氏の大統領返り咲きは、今後、日本にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

「めざまし8」のスタジオコメンテーターで、ジャーナリストの岩田明子氏は、トランプ氏が当選確実となったことで、「日本は外交上の準備をしなくてはいけない」と話します。

岩田明子氏:
トランプさんはトップダウンの形式で物事を決めていって、それからトップ同士のビッグディールが好きな人ですから、とにかくトランプさんの考えていること、それから大きな要求をしてきたときにも、トランプさんに直接対抗しないと。
まず自動車関税や、貿易黒字の是正については言ってきますから、安倍さんの時にも直接交渉していますので。トランプさんとしては、日米物品貿易協定のとき日本はFTAをのまずに日本側の要求で協定を結んだんですけども、それはトランプさんからしたら敗北を意味していたんです。自動車関税も回避しましたし。これはかなりトップディールでやったことが大きかったですね。だから、どういう経緯でやりとりをしたのかは頭に入れて置く必要がありますよね。

――安倍氏は、どっやってトランプ氏とうまくいった?
まず、最初のつかみがOKだった部分はありましたね。
すごく親しくて、日本でゴルフをやったときには、(安倍氏が)バンカーでひっくり返って、すぐ立ち上がってトランプさんがすごく喜んで、「あれを晋三バンカーと呼ぼう」と盛り上がったり、ゴルフをやるときにはアーニー・エルスさんや、松山さんや青木さんなど有名選手を交えてゴルフをやる。
こういうことをやると、話が1対1でできるわけです。カートに乗っている間もしゃべれますし、ここで北朝鮮や中国について色々な話をするわけです。本音を。だから非常に大きい情報がとれると。
トランプさんは好き嫌いも激しいし、突然怒ったり理屈に合わない行動をとることもあるので、そういうところを頭に入れておけば、怒らせないですみますし。安倍さんも一度決裂したことがあったんですよ。実は、貿易交渉の時に。ただ、突然怒ることも分かっていましたので、冷静だったんですよ。茂木さんたちはわっとなりましたけど。

日本経済への影響は?“蒸し返し”あるのか

トランプ氏が大統領になった場合、第一生命経済研究所の永濱利廣氏によると、以下のような影響を日本経済に及ぼす可能性があるといいます。

▼関税引き上げ ⇒ 円安・株高
▼エネルギー増産支援 ⇒ 物価上昇抑制
▼円安以上にエネルギー価格が安ければ、物価上昇が収まる可能性も

――円安かつ株高が進む?
岩田明子氏:

この傾向は強いと思います。トランプさんは前の政権の時にも、日本の円が強すぎると円安指向だったんです。当時、安倍さんが「為替については当局に任せるべきで表で言ってはいけない」と言ったら、会談でそのことについては言及しなくなったんですけども、また言及してくる可能性も無きにしもあらず。必ず今度言ってくるであろうことは、関税ですよね、特に「自動車関税」。日米物品貿易協定の時には、協議をしている間は敵対的行為をとるのはやめようと自動車関税を回避させましたので、トランプさんとしては痛恨の気持ちがあるわけで、蒸し返してくる可能性があると。
あとは為替是正などによる貿易、アメリカしたら赤字を是正してくるという動きは必ずやってくると思います。

トランプ氏の裁判“打ち切り”の可能性も?

現在、4つの裁判を抱えているトランプ氏。

今後この裁判がどうなっていくのかについて、明治大学の海野素央教授によると、特別検察官による起訴事件については、起訴した特別検察官を解任できる立場になるため、裁判打ち切りの可能性があるとのこと。

さらに、州の検事による起訴事件では、憲法は大統領公務を制限できないため、退任まで裁判が延期の可能性があり、アメリカの司法の力が弱まってしまうことが懸念されています。
(めざまし8 11月7日放送)