天皇皇后両陛下は、10月14日、岐阜市で開催された国内最大級の文化の祭典「国民文化祭」と「全国障害者芸術・文化祭」の開会式に臨まれました。陛下は第1回大会から毎年出席されています。
この記事の画像(13枚)陛下はおことばで「今回の取組を通じ、地域の伝統や文化の魅力が再認識されるとともに、文化芸術活動の裾野が広がり、新たな文化の創造につながっていくことを期待しております」と述べられました。
両陛下は能登の伝統芸能「御陣乗太鼓(ごじんじょだいこ)」などのステージをご覧になり、拍手を送られました。
翌日訪ねられたのは、木に触れて遊びながら学ぶ施設「ぎふ木遊館」。名誉館長を務める、俳優の竹下景子さんの案内で館内を見て回られました。
両陛下は、子どもたちが地元の木材で作った遊具やおもちゃで遊び、木に親しむ様子をご覧に。
親子連れに「よくいらっしゃるんですか?」と尋ね、積み木で遊ぶ子どもたちに「楽しい?」などと声を掛けながら、にこやかに見守られました。
ぎふ木遊館 竹下景子 名誉館長:
小さいお子さんを持つご夫妻にもお声がけをしてくださって、「何を作ってるんですか?」とか、「お子さんはおいくつですか?」と、皇后さまが優しくお声がけをしてくださっていたのがとても印象に残りました。
続いて「全国障害者芸術・文化祭」の会場を訪ねられました。
色彩豊かな絵画や立体作品などを見て回られた両陛下。折り紙をつなぎ合わせた大きな作品を作った高校生に「発想が面白いですね」などと声をかけられました。
また、脳性まひで体に障害のある女性が、足を使って絵を描く様子をご覧に。パステルや水彩で鮮やかに色を重ねた作品に陛下は「良い作品ですね」、皇后さまは「素敵ですね」と話されていました。
この日の午後、各務原市にある「航空宇宙博物館」へ。
工業高校の生徒たちが取り組む、小型の人工衛星打ち上げプロジェクトについて説明を受け、「素材はどういうものを使っているんですか?」「重さはどのくらいなんですか?」などと質問されました。
続いて視察されたのは、国際宇宙ステーションの実験棟「きぼう」の実物大の模型です。
両陛下は、宇宙飛行士の山崎直子さんに、「きぼう」の中で行われている実験や、宇宙に行ったときの印象について尋ねていらっしゃいました。
宇宙飛行士 山崎直子さん:
「どうして宇宙に興味を持たれたのですか?」というご質問をいただきました。いろいろなSFであったり、子どもの時に天体観測、天体望遠鏡を覗いたりということを申し上げましたら、両陛下も「天体望遠鏡、私たちも覗きますのよ」ということをおっしゃってくださって、とても嬉しく思いました。
2日間にわたり岐阜県で様々な文化や芸術に触れ、多くの人々と親しく交流された両陛下です。
(「皇室ご一家」10月27日放送)