一方で、私が新卒から約10年働いたトヨタグループでは、仕事ができる人ほど四六時中「手を抜くこと」を考えていました。
ただ、それは単純に「サボろう」「いい加減にやろう」という考えとは違います。
「マジメ×手抜き」の2ステップ
大前提として、手を抜くことで生じるリスクを最小限にしつつ、いかに手間や手数といった手を抜くか、という発想です。
リスクや影響もマジメに考慮しながら手間や手数を削る、「マジメ×手抜き」のハイブリッド思考が私が学んだトヨタ流です。
「マジメ×手抜き」は、2ステップで進めます。具体的に見ていきましょう。

<STEP1>手抜き思考~「仕方ない」を捨てる
日々の業務の中で、「なんかこの作業って面倒だな」と思ったら、「でも仕方ない」と蓋をせず、「どう手を抜くか」と考えてみることから始めましょう。
「手を抜く」具体的な方法は、まずは次のような場面で、(1)労力を減らせないか、(2)時間を減らせないか、という視点で考えてみます。
【「面倒だな」と感じる仕事の場面】
・ややこしい/複雑すぎる仕事
・プロセスや手順が多すぎる仕事
・都度対応が多すぎる仕事
・手作業が多すぎる仕事
・繰り返し作業が多すぎる仕事
・やり直しが多すぎる仕事
・必要人員が多すぎる仕事
問題やリスクを想定して対策を
<STEP2>マジメ思考~リスクを想定して先手を打つ
ステップ1で「仕方ない」を捨て、手抜きの候補を見出したら、次は実際に手を抜くことを考えます。
ただし、安易な手抜きを行うと、悪い結果につながり、かえって時間や労力がかかってしまうこともあります。