千葉県で16日、母娘が就寝中に縛られ、金品を奪われる事件が発生した。関東で連日発生している緊縛事件、いま犯罪への対策がより一層注目されている。専門家によると、強盗犯は事前に下調べを行い、侵入しやすい家を狙っており、事前の防犯対策が重要だと指摘する。
強盗犯は事前に下調べ…アポ電が全国で“13万件”発生
連日、関東で緊縛事件が起きている。
16日に千葉・白井市で発生したケースでは、母親と娘が寝ていたところを縛られ、暴力を振るわれた上、金品を奪われた。
寝ている間も安心できない状況に、私たちは、どう備えればいいのかーー。
東京・大田区の住宅街で青井実キャスターが聞いた。
青井実キャスター:
最近、強盗事件のニュースが多いが、それを聞いてどう思いますか?
40代:
怖いなあ…と。
青井キャスター:
対策はされていますか?
40代:
してないんです。マンション頼りで…。
青井キャスター:
マンションなら、大丈夫かなと?
40代:
勝手に、そう思っちゃってる。
60代:
(窓ガラスに)防犯フィルムを貼ってあります。子どもたちを守りたい。今は物騒じゃないですか。(フィルムを貼ったのは)ここ数年だから、2~3年前かな。
20代:
すごく怖い。無差別みたいな報道を見ているので、狙われちゃうんじゃないかという怖さはある。
青井キャスター:
それに対して、対策されてたりしますか?
20代:
私の家はセコムとかがあるんですけど、祖母の家だとセコムとか備え付けていない家もある。対策は、まだ行き届いていない。
さらに、こんな気になる話をする方もいた。
青井キャスター:
電話や訪問販売が来たことはありますか?
70代:
ありますよ!
石を売りに来たりして、足をドアに入れちゃうんですよ。引っ張り合って防ぎました。
60代:
「家の屋根がおかしいですよ」と言ってくることがあって、「おかしい」と思った。
近所に聞いたら「ウチもありました」という人がいた。狙われてたのかな…と今更思う。「近くで工事するので挨拶に来ました」とか。
こういったことは事件と関係あるのか、元埼玉県警捜査一課の佐々木成三さんに聞いた。
元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん:
高齢者1人暮らしなのか確認するとか、お金があるのかということについて、訪問とかアポ電とかで、(リストの)データを上書きしていることがある。狙われやすい家というより、リストに載った家を指示役から指示を受けた実行犯がやっているんだと思う。
青井キャスター:
佐々木さんによると、強盗犯は事前に下調べをしてから犯行に及ぶため、予兆があるといいます。
元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん:
警察の統計では、令和5年でアポ電、すなわち予兆電話が全国で13万件発生している。これは警察に統計的に届けられたものだけなので、届けられていない・気付いていないものなどを踏まえると、100万件起きていてもおかしくない。
青井キャスター:
では、私たちはどんな対策をすればいいのでしょうか。
元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん:
ポイントとして、狙われた時に、この家が入りやすいか入りにくいかを実行犯に示すことが、すごく大事。
「攻める防犯」犯罪者を威嚇できる防犯が大切
青井キャスター:
警備保障会社にも聞きました。
最近の事件を受けて、問い合わせはどうなっていますか?
セコム株式会社コーポレート広報部・竹内昭彦課長:
前月と比べると、今月はホームセキュリティーが約3倍、防犯ガラス・フィルムは約4倍の問い合わせをいただいている状況です。世の中の事件と連動しているような状況で、9月末頃から非常に問い合わせが増えている。
青井キャスター:
アメリカの防犯対策は、どうなっていますか?
SPキャスターパックン:
日本と違うのは、番犬の多さと防犯のため銃を持っている家庭の多さですね。でも、日本と同じようにこういう事件が多いと、防犯カメラを設置したり、警備会社と契約したり、情報収集したりする方は多いと思います。
青井キャスター:
専門家の佐々木さんは、今後はさらに別の防犯手段も必要だと言います。
元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん:
防犯意識と機械警備が、必要な時代になったと思います。素人にも分かるような防犯システムとして、防犯カメラ付きドアホンや録音できる電話機を取り付けることが何よりの対策になのではないか。「目立つ防犯」というか「攻める防犯」。必要なのは、犯罪者を威嚇できるような防犯。
青井キャスター:
取材した住宅街では、駅前で市民と警察官が防犯キャンペーンを行って、街全体で防犯意識を高めようとしていました。一筋縄ではいかない犯人に対し、守るばかりでなく、攻めていくことも重要です。
(「イット!」10月18日放送より)