2024年も秋祭りのシーズンが到来。10月14日、大分県国東半島の北部に位置する国東市国見町の櫛来(くしく)地区では、伝統の火祭り「ケベス祭」が行われ、秋の夜空に火の粉が舞った。
起源や由来は不明だという謎に包まれた「ケベス祭」とは…。

「ケベス」と「ドウバ」の激しい攻防が見物

ケベスとドウバ
ケベスとドウバ
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燃え盛る炎を前に行われているのは国東市国見町の櫛来社に伝わる「ケベス祭」。起源や由来が不明で謎に包まれた「奇祭」として知られている。国の選択無形民俗文化財に指定されていて、毎年10月14日に開催されている。

高齢化が進む地域では祭りも担い手不足が課題となっているが、地元を離れた若者が祭りのために帰省するなどして伝統を引き継いでいる。
ことしもその祭りを一目見ようと多くの人が訪れた。

2024年ケベス祭
2024年ケベス祭

祭りの主役は奇怪な面をつけた「ケベス」。
火に飛び込もうとするが、それを阻止するのが「トウバ」と呼ばれる白装束の男たちで、両者の攻防がこの祭りの見物となっている。

火の粉を浴びると1年間無病息災で過ごせる

火の粉を浴びる観客
火の粉を浴びる観客

クライマックスでは、ケベスとトウバが一緒になって火のついた木を振り回し、見物客に火の粉を巻きちらす。
飛び散る火の粉を浴びると、1年間無病息災で過ごすことができるとされていて、見物客からは悲鳴と歓声が挙がり、「ドキドキ、はらはらした」「こわい」などといった声が聞かれた。

祭りの見物客
祭りの見物客

祭りが終了すると会場は大きな拍手で包まれた。
毎年「ケベス」はクジで選ばれていて、今回、その大役をつとめた男性は「足がガクガクしている。地元の祭りに主役として参加できたので良い1年になればいい。すごい数の観客が声援をくれて良かった」と話し、面を外した表情からはホッとしている様子が伺えた。

2024年ケベス役をつとめた男性
2024年ケベス役をつとめた男性

秋の夜空を真っ赤な炎と歓声で包む謎の火祭り「ケベス祭」。これからもその伝統の灯は大切に灯され続ける。

2024年ケベス祭り
2024年ケベス祭り

(テレビ大分)

テレビ大分
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