肌寒い日が増えると、冬までエアコンの出番がなくなってくる。もし今年の夏場に、「冷房」が活躍していればしているほど注意が必要なことがある。手入れをしておかないと、カビが繁殖するかもしれないのだ。
パナソニック株式会社によると、カビは気温20〜30℃、湿度70%以上の環境で最も繁殖しやすく、多くの胞子を作る。そして湿度はあがるほどカビが発生しやすいという。秋は真夏よりも湿気が多くて気温は下がるため、繁殖しやすい環境に当てはまってしまうという。
そのため、パナソニックは秋にエアコンのお手入れをする「夏じまい」を提案しているが、2024年の調査(20~60代の515人を対象)では、全体の45%がこれまでしてこなかったという。
パナソニックの担当者は「冷房で酷使した後のエアコンはカビやすい状態にあるため、暖房を使う前にお手入れしてほしい」と話すが、どうすれば夏じまいできるのか。詳しく聞いた。
繁殖したカビが暖房で吹き出す
そもそもなぜ、エアコンにカビが繁殖するのかというと、原因は2つある。ひとつは「ホコリや油分」。エアコンは空気を取り込むため、フィルターでブロックできないカビ菌、浮遊しているホコリや油分も取り込んでしまう。これがカビの餌となるのだ。
もうひとつが「エアコン内部の湿気」。エアコンは冷房・除湿モードで運転すると、空気を冷やしつつ、空気中に含まれる湿気を結露させて排水も行う。そのため、内部の湿度が高くなりやすいという。こうして、カビの成長に適した環境ができあがるというわけだ。
夏じまいせずに放置するとカビが増え、冬に暖房をつけたときに吹き出してしまう可能性もあるとのこと。実際、パナソニックが検証で“カビが発生した状態”を再現し、エアコンを稼働したところ、カビが室内に広がっていた。
「エアコン内部にホコリやカビ菌、運転中にたまった水分などが残っていると、カビが繁殖して臭いのなどの原因になります。夏のエアコン稼働時間が長いほど、エアコン内部に湿気がたまり、ホコリもたくさん付着するため、お掃除はぜひやっていただきたいです」