国スポでは監督にも様々な思いがある。バレーボール少年男子の佐賀代表はライバル強豪校の合同チーム。一方のライバル校を長年率いてきた“合同チーム”の監督は、国スポの後の春高では指揮をとらない覚悟を決めた。
長年の強豪ライバル校が1つに
「国スポ」に出場するバレーボール少年男子の佐賀代表の選手は12人。佐賀学園高校が6人、佐賀商業高校が6人。実はこの2校は佐賀の強豪校。長年しのぎを削ってきたライバルだ。
この記事の画像(10枚)高校バレーの最高峰「春の高校バレー」の佐賀県大会では、直近10年の決勝のうち9年が佐賀学園と佐賀商業の対戦。「国スポ」ではそのライバル同士が1つとなり、2つの強豪校の“合同チーム”が佐賀代表として戦う。
「国スポ」監督つとめる覚悟
そして国スポのチームを率いるのは、一方のライバル校を率いてきた佐賀学園の蒲原和孝監督。
国スポの監督をつとめるにあたって蒲原さんは、ある覚悟と決断をした。
国スポ バレーボール少年男子 蒲原和孝監督:
春高予選(県大会)ではベンチに入らない。それぐらいの覚悟がないと、この監督を引き受けることはできない。春高バレーでは指揮を取らない
蒲原監督の覚悟と決断の裏には、葛藤があったと選手は語る。
佐賀学園 山口真登選手:
(監督が)佐賀商業の選手にも、佐賀学園だけに教えてきたことを、いろいろ教えないといけない。それで佐賀商業がどんどん強くなっていく。佐賀学園の監督として(チームに)いるのは佐賀学園の選手たちに申し訳ないということで監督を降りるという話でした
勝つためにライバルにも全力指導
佐賀県内屈指の強豪、佐賀学園と佐賀商業。高校総体などの公式戦でも多くはこの2校が決勝で対戦してきた。
佐賀商業 中村友彦監督:
20代の頃から一緒にしのぎを削ってきたので、率直に寂しい
佐賀商業 宮崎考成選手:
春高でも一緒にライバル校として戦ってほしかったけど、国スポに全てを懸けるとおっしゃったので、それに応えられるように頑張りたい
蒲原さんの佐賀学園での監督歴は26年。今後、春高の采配はOBのコーチに任せる。
佐賀学園 江口聡コーチ:
プレッシャーしかない。(しっかり)やらないといけないなと
「国スポの先は考えない」という蒲原監督。ライバル校の佐賀商業の選手にも全力で指導し、「地元開催の国スポで必ず勝てるチームをつくる」覚悟だ。
国スポ・バレーボール少年男子の佐賀代表は10月6日に初戦に臨む。
(サガテレビ)