茨城県にある日本最大級のミニトマト農園では、二酸化炭素を利用した“エコな農業”が行われています。“地球温暖化の天敵”を利用した取り組みを追いました。

二酸化炭素を有効活用…収穫量は「3倍」に

茨城県にある巨大なミニトマト農園。その“肥料”として活用されているのが“地球温暖化の天敵”二酸化炭素です。

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たまねき常総 前田亮斗社長:
このように風が出ておりますのでCO2も含めて植物にとって最適な空気を作りまして農場の中を循環させております。

小さな穴から出ているのが二酸化炭素。ハウス内の濃度を上げることで光合成が活発になり、ミニトマトの収穫量を3倍に増やすことに成功しました。

この“エコな農業”を実現したのが、「たまねき常総」の前田亮斗(まえだ りょうと)社長(35)です。

前田社長:
温暖化が進む中で、特に夏場に農作物が安定的に供給できないのは、非常に大きな課題だと思ってます。農業でCO2をうまく活用して、光合成を活発にするのが重要な事じゃないかなと。

ミニトマト栽培で日本最大級の広さを持つこの農園では、電気も天然ガスから自家発電。そこで発生した二酸化炭素を使ってミニトマトを育てているんです。

さらに、ハウス内の二酸化炭素濃度を24時間管理することで、季節などに左右されず1日最大5トンものミニトマトを収穫できるようになったといいます。

前田社長:
1年間通年で安定して雇用できるというのがいいところかと思っています。

もともと農業とは全く縁がなかった前田さんですが、“地域を元気にするような仕事をしたい”と安定的に収穫できるミニトマト農園を作ったのです。

前田社長:
無駄になっているものに価値を生み出していくのは、まだまだ農業、あるいは食の分野でたくさんできることがあるんじゃないかと、全くCO2が出ないような農業のあり方を実現していきたいと思っています。

二酸化炭素を活用し、地域を元気にするため、地球に優しくミニトマトを栽培する前田さんの活動はあすも続きます。
(「イット!」9月26日放送より)