東京・浅草で土用の丑の日の7月31日、揚げ食パンでご飯と厚焼き卵とうなぎを挟む「うなぎ揚げサンド」が人気を集めていた。EUがニホンウナギの国際取引規制を提案し先行きが懸念される中、うなぎ文化が根付く埼玉県では陸上養殖が進み、食料自給率向上を目指している。

土用の丑の日…浅草のうなぎサンドが人気

7月31日は、土用の丑の日だ。連日の猛暑で、バテ気味の体力を回復するのに食べたくなるスタミナ食のうなぎだが、今様々な変わり種が登場している。

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観光客でにぎわう浅草で、6月オープンしたばかりの揚げサンドの専門店「Age.3 ASAKUSA」の店頭にあったのは、「うなぎ」と書かれた看板だ。

サクッと揚げた食パンに、特製のたれをかけて挟んだのはご飯で、さらに厚焼き卵とうなぎをトッピングして、最後に炙って出来上がりだ。

客:
パンとご飯が一緒に口の中に入ることはあまりないので、不思議な感覚ではあるが、うなぎのタレがパンにも合う。

Age.3 ASAKUSA・中山英里亜さん:
確かに珍しい組み合わせだが、「和」と「揚げパン」の相性に手応えがあった。手軽に食べられるようなうなぎのサンド。

土用の丑の日に合わせて開発したという「うなぎサンド」は、人気ナンバーワンだ。

実は、7月31日は7月2度目の丑の日で、暦に「土用」という季節を示す目印があり、その期間のうち2度目にやってきた丑の日のことを「二の丑」という。そんな2度目のうなぎチャンスにお客さんはこう話す。

客:
丑の日って今日ですか?分かってないまま、じゃあちょうど良かったです。

6月、EU=ヨーロッパ連合は、ニホンウナギを含むウナギの全種類について、国際取引を規制する『ワシントン条約』に掲載するよう提案した。

「食料自給率向上に貢献を」うなぎの陸上養殖で安定供給を狙う

今後の行方によっては大きな影響が心配されるうなぎだが、そんなピンチを脱しようと海なし県が養殖に乗り出している。

埼玉・上里町のレストラン「平沼水産」で7月31日、スタミナ食のうなぎを楽しむ人の姿があった。

客:
スタミナ落ちてる。うなぎ食べないとダメ。

皆さんが舌鼓を打っていたこのうなぎは、厨房の隣にある水槽で「陸上養殖」されたものだ。

2023年からうなぎの陸上養殖を始め、平沼水産では約3万匹が養殖されているという。なぜ海なし県で、うなぎ養殖が行われているのだろうか。

平沼水産・福岡宝昌さん:
埼玉県自体が昔からうなぎを食べる文化があったので、そこがうなぎの養殖をやろうとなったのが一つ。屋内で養殖することによって気象条件とか気候の影響を受けにくい。

陸上養殖のうなぎは個体差が少なく、味にばらつきが少ないのも特徴だという。

平沼水産・福岡宝昌さん:
今後うなぎの養殖を通じて、少しでも食料自給率の向上に貢献できたらなと思う。

日本のうなぎは、7割を輸入に頼っている。陸上養殖のうなぎが救世主になるかもしれない。
(「イット!」7月31日放送より)

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