福岡・川崎町で起きた2台の車の逃走事件。パトカーに割り込んで逃走を手助けしたとみられる男が逮捕された。2台の車の関係性、そして逃走した理由とは。
発端は42歳女への職務質問
「黒い車には衝突したときに出来たとみられる凹みと傷があります」(取材記者)。警察が押収した黒い車。その車の横には同じく警察が押収した白い車が止められている。
事件の始まりは2024年9月22日のことだった。
この記事の画像(8枚)川崎町の商業施設の駐車場で、視線が定まらず、呂律のまわらない首藤千帆容疑者(42)を覚醒剤使用の疑いで警察官が職務質問し、任意同行を求めたことだった。
しかし首藤容疑者は「乗りたくない」とパトカー乗車を拒否。首藤容疑者自身が電話で呼び出した知人の梅本英樹容疑者(56)の白い車で田川警察署へ向かうことになった。
するとその道中の国道交差点近くで、パトカーの後方から現れた黒い車が、首藤容疑者が乗る車とパトカーの間に突然、割り込んで急ブレーキをかけるなどして走行を妨害。この黒い車を運転していたのは、木村義生容疑者(49)。木村容疑者は、首藤容疑者の交際相手だったのだ。
木村容疑者がパトカーを足止めしている隙に首藤容疑者の乗る白い車は逃走したのだ。
そのときの騒動直後のようすを捉えた付近の防犯カメラには、木村容疑者が運転する黒い車が猛スピードで坂道を駆け上り、赤色灯をつけた2台のパトカーが、その後ろを追いかけている映像が映っている。
容疑者自宅から覚醒剤押収 逮捕
捜査関係者によると、逃走した車は、交差点で赤信号を無視して右折し、直進してきた車と衝突したにもかかわらず、逃げ続けたという。木村容疑者と首藤容疑者はその後、合流し、2人で逃走していたというのだ。
警察が首藤容疑者の自宅を家宅捜索したところ覚醒剤を発見し、押収。白い車を運転していた首藤容疑者の知人の梅本容疑者を犯人隠避の疑いで逮捕した。さらに田川警察署に出頭してきた首藤容疑者を覚醒剤所持の疑いで、黒い車を運転していた首藤容疑者の交際相手の木村容疑者を公務執行妨害の疑いでそれぞれ逮捕した。
パトカーの進路を妨害した理由について木村容疑者は「彼女がパトカーに乗っていると思っていた。パトカーを止めて、彼女と警察から話を聞きたかった」と容疑を認めている。
警察は覚醒剤の入手ルートなどを詳しく調べている。
(テレビ西日本)