駅前にできた人だかり。その先にあったのは閉店間近のお店だった。

9月29日、46年の歴史に幕を下ろしたのは、千葉・習志野市のスーパー「イトーヨーカドー津田沼店」だ。

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閉店に駆け付けた多くの客からは「津田沼ありがとう~」「フォーエバーイトーヨーカドー」といった声が上がり、拍手が鳴り響いた。

津田沼店が開店したのは1977年。当時は付近に「丸井」「高島屋」などの大型店が相次いで出店し、“津田沼戦争”と呼ばれるほどの激戦が繰り広げられた。イトーヨーカドーは当時から営業する中で、最後の店舗だ。

店内は多くの人でごった返した
店内は多くの人でごった返した

そんな津田沼店の最後の営業日となった、2024年9月29日。店には開店前から50人以上の客が列を作り、オープンすると店内に流れ込んでいった。売り場のいたるところに「閉店売りつくし」の張り紙があり、空になった商品棚も。

商品棚は空に
商品棚は空に

客のひとりは「(津田沼店は)小さい頃からなくてはならない存在で、いつもあったので。今日は泣きそうな感じで寂しい」と話した。

46年続いた店舗につまっているのは、地元住民のたくさんの思い出だ。船橋市前原商店会の大塚智明会長は「初めて見たウーパールーパーはイトーヨーカドー(津田沼店)の動物売り場だった。そんな思い出もあります」と話す。

閉店の瞬間は“拍手と笑い”で

そして訪れた閉店の時間。方々から「ありがとう~」の声がかかった。

駆け付けた常連客は涙を見せつつ「開店の時から両親と来るのが家族のイベントで。ここでお子さまランチを食べた。イトーヨーカドー(津田沼店)は人生そのものぐらい」と振り返った。

閉店の時間
閉店の時間

開店から閉店まで9時間、思い出の写真を撮り続けたという男性は「僕の青春時代が終わった。次からどうすればいいんだろう。津田沼きたら」と寂しそうに話した。

なごり惜しい客は閉店時刻をすぎた後も、感謝の拍手を送る。店の担当者から「どうぞ…終了でございます。すみません」と帰るようにうながされても、客の足はなかなか動かない。

別の出入口では、シャッターが降りる歴史的な閉店の瞬間を見守る人たちが。店の担当者が「左側のシャッターは故障のため、閉まらない状態となっております。恥ずかしいお知らせで申し訳ございません」と呼びかけると、客からは拍手と笑いが。“閉まらないシャッター”に関する知らせが、締めのあいさつとなった。

なお、イトーヨーカドーは2025年度までに33店舗が閉店予定となっている。

北海道では「西友」が閉店

そんな“閉店ラッシュ”が起きているのは、イトーヨーカドーだけではない。9月29日は札幌市内にある、スーパー「西友」4店舗が閉店した。通い慣れた人々が、最後の営業を見届けようと訪れた。

北海道では「西友」が閉店
北海道では「西友」が閉店

駆け付けた客からは「涙が出そうでした。(西友は)何回も利用しているのですごく思い入れがあった。最後に来られて良かった」という声も聞かれた。

北海道では、9月30日にも5店舗の西友が営業を終え、道内すべての店が閉店することに。閉店した店舗はイオングループが事業を引き継ぎ、10月以降に順次オープンする予定だ。
(「イット!」 9月30日放送より)