自治体のトップが100歳を迎えた住民宅を訪問し、祝い状等を贈呈する慶祝訪問。敬老の日に合わせて、福井市の西行茂市長が100歳の女性を訪ねると、思いがけない“おもてなし”が待っていた。
ピアノ演奏で驚きの“おもてなし”
訪問先の玄関扉を開けた西行市長。
この記事の画像(7枚)視線の先には、ピアノを演奏する女性の姿が。2024年7月に100歳を迎えた山川伸子さんだ。娘と息の合った連弾を披露する姿に、市長は思わず「すごい!」と感嘆の声を上げた。
市長からは、山川さんに100歳の記念品や祝い金が手渡された。
健康の秘訣は「動くこと」だそうだ。西行市長からの「ピアノは昔から弾いているのか?」との質問に、山川さんの娘から「そうでなくて…3月からです」と衝撃的な返答があった。なんと、山川さんがピアノを始めたのは、わずか半年前、99歳の時だった。
自宅でデイサービスの送迎を待つ間に、同居する娘の西村喜美さんが玄関に置いてあるピアノを「弾いてみたら?」と勧めたのがきっかけだったという。以来、なじみのある童謡を思い出しながら弾いたり、時にはオリジナルの曲を弾いてみたりするのだという。
47歳の時夫が他界…一人で娘を育てる
山川さんは1924年(大正13年)7月18日生まれ。1924年は、パリオリンピックが開かれた年で、兵庫県の阪神甲子園球場が竣工し、甲子園の歴史が始まった年でもある。
53年前、47歳の時に夫・深(ふかし)さんが他界した後は、実家の呉服店を手伝いながら一人で娘を育ててきた。
山川さんにはピアノ以外にも続けていることがある。それは65歳から始めた千羽鶴作りだ。自分が元気になることと「病気などで苦しむ人を元気づけたい」という思いから折り始めた。その数は3万羽を超え、今も折り続けている。
西村さんは「自分の家族が100歳になるのはありがたい。奇跡だと思う」と話す。
家族や市長に祝福を受けた山川さんは「ありがとう」と笑顔を見せていた。
(福井テレビ)