北朝鮮が12日、約2カ月ぶりに弾道ミサイルを発射した。新兵器や新型車両など、映像から検証する。

“新型発射装置”で弾道ミサイル発射

北朝鮮は12日、平壌付近から数発の弾道ミサイルを北東方向に向けて発射した。少なくとも2発は最高高度が約100km、約350kmを超えて飛翔したと推定されている。

幅が広い車両の骨組みに6連装発射装置を取り付けることで発射できるミサイルの数を増やし、安定走行も可能に?
幅が広い車両の骨組みに6連装発射装置を取り付けることで発射できるミサイルの数を増やし、安定走行も可能に?
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能勢伸之フジテレビ特別解説委員:
北朝鮮は今回の発射実験を、口径600mm・超大型放射砲の移動式発射車両について「走行性能を発展」させ、発射までを「完全自動化」したと説明しています。つまりミサイルではなく、発射装置が新型ということなんです。
これまでの4連装用より幅が広い車両の骨組みにすでにある6連装発射装置を取り付けることで発射できるミサイルの数を増やすと同時に、安定して走れるようにしたかたちです。

北朝鮮メディアが公開した“自爆ドローン”
北朝鮮メディアが公開した“自爆ドローン”

さらに北朝鮮は、戦車に似せた標的に真上から衝突、破壊する自爆ドローンの画像を公開した。

能勢伸之フジテレビ特別解説委員:
このドローンの形を見たイスラエルメディアは、4方向に主翼が伸び、イカのような形をした北朝鮮のドローンは「イスラエル製のドローンによく似ている」とした上で「イランがイスラエルから技術を盗んだ疑いがあり、イランからロシア、ロシアから北朝鮮が入手した可能性が高い」との分析を紹介しています。

そして、ドローンにはドローンでと言わんばかりに、韓国もポーランド製の自爆ドローンを導入すると報じられています。

巨大ミサイルや核弾頭の増加を示唆?

軍事力を増大させることで存在感を示す北朝鮮。最近1週間はその動きが加熱している。

北朝鮮が生み出した世界最大級の大陸間弾道ミサイル、火星17。移動発射車両はこれまでも世界最大級だったが、さらにタイヤが1つ増えた“片側12輪バージョン”を開発し、さらなる巨大ミサイルプロジェクトの可能性を示した。

その上で、金正恩総書記は「核兵器の数を幾何級数的に増やす」と宣言。13日には、ウランの濃縮施設を視察する様子が報じられた。

ウラン濃縮に欠かせない遠心分離機の数は、アメリカのシンクタンクの画像分析では約280台とされ、これまでに2000台以上が設置された可能性があるとしています。

能勢伸之フジテレビ特別解説委員:
新兵器に加え、巨大ミサイルや核弾頭の増加を示唆する北朝鮮は一体、なにを目指すのか、欧米も日本も無視できない事態となりつつあります。
(「イット!」日曜安全保障 9月15日放送より)

能勢伸之
能勢伸之

情報は、広く集める。映像から情報を絞り出す。
フジテレビ報道局特別解説委員。1958年京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。報道局勤務、防衛問題担当が長く、1999年のコソボ紛争をベオグラードとNATO本部の双方で取材。著書は「ミサイル防衛」(新潮新書)、「東アジアの軍事情勢はこれからどうなるのか」(PHP新書)、「検証 日本着弾」(共著)など。

イット!
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