山形・米沢市が事業の白紙撤回を求めている風力発電計画について、9月11日に事業者側が市役所を訪れ、「検討する時間がほしい」と伝えた。米沢市は「白紙撤回を求める姿勢は変わらない」としている。
市を訪れた事業者の説明受けるも…
米沢市の栗子山で、JR東日本エネルギー開発が高さ168メートルの大型風車を最大10基設置する計画を立て事業を進める一方、生息する国の天然記念物のイヌワシへの影響が懸念されている。
この記事の画像(4枚)計画をめぐっては、吉村知事が意見書の中で「事業の取りやめも含め抜本的な事業計画の見直し」を行うよう求めているほか、米沢市の近藤市長も「市民への説明が不十分」などとして、8月に事業者側へ計画の白紙撤回を申し入れている。
こうした中、JR東日本エネルギー開発の松本義弘社長らが、9月11日に米沢市を訪れ、近藤市長と非公開で面談した。
松本社長は、23日までに出される経済産業省の勧告もふまえて結論を出したいとして「検討する時間がほしい」と伝えた。
松本社長は「数々の意見をいただいており、その意見を総合的に検討する時間が必要。もう少し時間をいただきたいとお話しさせていただいた」と説明した。
また、景観法が定める必要な届け出をせずに「風況ポール」を設置するための作業道を整備したことについては、「結果的に計画と実際の整備に差が出たことは大変申し訳ない」と謝罪した。
事業者からの説明を受け近藤市長は、「市民からの不信感は変わっていない」として、あらためて白紙撤回を求めたという。
(さくらんぼテレビ)