プロ野球、パリーグの首位を独走する福岡ソフトバンクホークス。優勝マジックも「15」(※取材時)となったが、9月に入りチームに“異変”が起こっている。

ホームで開催された2位の北海道日本ハムファイターズとの直接対決2連戦。

この記事の画像(10枚)

9月3日の試合は、防御率1点台と抜群の安定感を見せているモイネロ投手(28)が先発したが、自身初となる先頭打者ホームランを浴びると、初回にまさかの5失点。この日は、自己ワーストの3回6失点でマウンドを降りた。倉野信次投手コーチは「1回、登板を飛ばす(間を置く)」とコメント。登録抹消となった。

新“守護神”松本投手の右肩に異変が

続く翌日の試合。4番の山川穂高選手(32)が、両リーグ最速となる30号ソロホームランなどで3点をリード。しかし迎えた9回、オスナ離脱後クローザーを務めていた松本裕樹投手(28)が先頭バッターにフォアボールを与えたところでアクシデントが発生し、緊急降板。

代わった大山凌投手(22)と岩井俊介投手(23)のルーキー2投手が流れを止められず、3点差を逆転されたホークス。松本投手は右肩に痛みを訴え登録抹消となった。

新たな戦い方 9回はヘルナンデス

リリーフ投手陣に“激震”が走るホークス。試合後にミーティングを開いた小久保裕紀監督(52)を直撃した。

「クローザーの松本がああいうかたちでマウンドを降りたんで、ちょっとそういう点では『新たな戦い方にするよ』ということは(チームに)伝えておかないとね。まぁ『バタバタする必要全くないよ』ってことを伝えたかっただけですね」

「9回は、ヘルナンデスで行くことになっているんで。奪三振率を見ても、その資質はあると思うので、ここまでの1年間、彼が投げてきた姿を見るとチームメイトも野手も『当然、9回はヘルナンデス』と思っていると思うんで、そのまま行ってもらおうと。7回、8回に投げるピッチャーをどうしていこうかというところ」

この時期になるとマジックも意識

そして話はマジックのことに。小久保監督は「マジック出て、いま15ですけど(※取材時)、このぐらいの時期になるとね、やっぱり少しは意識しますよね。まぁ選手のなかには、山川(穂高)のように『減らしていく数字がある方がいい』という選手もいますけどね」

松本投手が緊急降板した試合。3点のリードを守れなかった大山投手。タイムリーとホームランを許した岩井投手。打たれたルーキー2人に対して「プロの世界、簡単に勝たせてくれない。『そんな責任感じる必要はない』という話をしました」と小久保監督は声をかけたという。

光る33歳今宮健太選手の存在

一方、プレッシャーがかかるシーズン終盤で必要なのがベテランの経験だ。チームの中心、柳田悠岐選手(35)不在のなか、33歳の今宮健太選手がベンチやグラウンドで仲間に声をかけチームをまとめている。小久保監督も「やっぱりチームを引っ張るのは、主力選手だと思うんで、そのなかでは(今宮)健太がいい働きというか、プレーでもそうですけど、先頭バッターでサードゴロを打ったときのファーストまでの全力疾走の姿とかっていうのもね。やっぱりそれはチームにとってはいい影響を与えてくれてますよ」

「津森(宥紀=投手・26)が、押し出しの四死球を連発したときとかは(※8月28日のオリックス戦で1点リードの7回2死満塁で登板しながら、3者連続の押し出し)少し厳しい目で津森を叱咤激励してましたけど、そういうのは大事だと思いますね。やっぱり勝負で勝つためにやっているなかでね。やっぱりそこで当然当たり前ですが、衝突があって当然だと思うんで、そういう方が逆に頼もしいですね」とベテランの力を期待する。

いよいよ優勝へ向けラストスパート

ペナントレースも終盤戦に突入。どんな野球で残り試合を戦うのか?小久保監督は「いまは、本当にここにいるメンバーが、ホークスの大所帯のなかで一番、戦力になるメンバー集めてるんで、2軍にいる1軍入れ替えの選手たちも含めてですけども、そこのメンバーで絶対に最後は我々が勝ち切るという思いだけです」

「目の前の試合1試合1試合をね、隙を与えることなくいままでやってきた野球をずっと続けていく。ここにブレはないですね」。

残り試合もあとわずか。福岡のファンは小久保監督の胴上げを待っている。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
テレビ西日本

山口・福岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。