この時期、多くの登山客が訪れる八ヶ岳連峰。

登山口から3時間ほど登った先にある診療所で作業をしていたのは、医師の市川智英(いちかわ・ともひで)さん。
設備が限られた山の中で、けが人の応急処置などを行う“マウンテンドクター”です。

“マウンテンドクター”市川智英さん(44):
段ボールとかを廃棄するともったいないので、これを(添え木に)代用したりとか、緩衝材をぐるぐる巻いちゃうんです。安く保温性が保てます。
登山シーズンになると、後を絶たない山岳遭難事故。全国で発生した件数は、2023年、過去最多となりました。

“マウンテンドクター”市川智英さん(44):
想像以上に病気の方が(登山に)多くいらっしゃるので、ギリギリの状態で上っている人たちがいっぱいいます。

こうした山岳事故を減らすため、市川さんが行っているのが「登山者検診」です。
山を登る前に麓の病院で登山者の心肺機能などを検査し、健康状態や体力を把握。その人に合った登山プランを提案しています。

“マウンテンドクター”市川智英さん(44):
心臓に関しては、現状では大きな問題はないかなと思います。少し休憩するくらいで登れば、ちょうど適切なペース。

山での病気やけがの知識に加え、高度な登山スキルが必要な「国際山岳医」の資格を持つ市川さんは、“大好きな山で起きる事故を減らしたい”と山を登る前から登山者のサポートを行っています。

“マウンテンドクター”市川智英さん(44):
山岳医療って世の中で知られていない医療分野だと思うので、山にもお医者さんがいるんだよっていうことを、全国の登山者に知ってもらいたい。

設備が限られた中、山での事故を減らしたいと登山者のために奮闘する市川さんの活動は、あすも続きます。
(「イット!」8月23日放送より)