台風から一夜明けた長崎は少しずつ日常が戻り始め、台風が通過した島原半島では建物への被害も報告されている。また多くの飲食店やスーパーなどが休業を余儀なくされ、夜の街では夕食にありつけない「夕食難民」が店を求めてさまよう姿も見られた。
夕食にありつけず1時間さまよう
普段は賑やかな長崎市中心部も、台風が接近した29日夜は人通りもまばらだった。

車の通りもほとんどなく、飲食店もほぼ営業していない。夕食を食べるところを見つけられない“夕食難民”が店を探してさまよっていた。
五島に帰るはずだった人は「本来だったら五島に帰っているはずだったが帰れなくなってしまって、夜ご飯を食べに来たところです。“夜ご飯難民”ですよ」と嘆く。

数少ない“開いている店”には行列が。その店はラーメン屋だった。

中国人観光客は開いている飲食店を探して1時間歩き回り、ラーメン屋に辿り着いたという。「きょうは来たばかりだけど、どこも開いていないから、ここの店しか開いていないから入ってみた。ラーメンはとてもおいしかった」とほっとした表情を浮かべた。
金属製の屋根が30m吹き飛ばされる
島原市の「島原市立温水プール」では、金属製の屋根が強風で長さ約30mにわたってはがれ、吹き飛ばされた。

一部は電線に掛かって垂れ下がり、市は30日朝から撤去作業を進めているが、再開のメドは立っていない。プールは台風で30日まで臨時休業する予定だったため、けが人はいないということだ。
市民の足も徐々に再開
台風10号の影響でストップしていた長崎県内の交通機関も、一夜明けると少しずつ運行が再開。

長崎電気軌道は午前6時30分から路面電車の運行を再開。長崎バスと県営バスも朝から順次路線バスの運行を再開した。利用者は「インターネットを見ながら再開するのを見計らって出てきた。やっと会社に行けるのでよかった」と安どの表情を見せた。
(テレビ長崎)