実況「前人未到の5連覇達成です!」
日本時間8月7日に行われた、レスリング男子グレコローマンスタイル130キロ級決勝。
キューバの41歳のレジェンド、ミハイン・ロペス ヌニェス選手が、前人未到のオリンピック5連覇の偉業を達成しました。
第1ピリオドから、積極的な姿勢を見せるレジェンド、ロペス選手。チャンスを作ると…、
実況「手首をつかんで組んでいますね。頭をつけて返してきた!2点入って、3点目」
相手を華麗に回転させて、先制します。
続く第2ピリオドでは相手の背後を取り得点。差を広げたロペス選手。
そしてついに…
実況「今決まりました。前人未到の5連覇達成!」
6対0と圧倒的な強さを見せつけ勝利。
2008年の北京オリンピックから、5大会連続での金メダル獲得となりました。
しかし、この日、彼が作った伝説はこれだけではありませんでした。
「山口百恵さんみたい」ロペス選手のパフォーマンス
試合終了後、ロペス選手はマットにキスをし感謝を伝えると、ある行動に出ます。
実況「あ、シューズを」
解説「引退しないでほしいな」
実況「脱ぎますね」
解説「ほんとに?」
マットの中央で靴を脱ぎ始めたロペス選手。この行動は一体どういうことなのでしょうか。
めざまし8は、シドニーオリンピック銀メダリストの永田克彦さんに、この行動について話を聞きました。
シドニーオリンピック レスリング銀メダリスト 永田克彦さん:
いわゆる「もうこれでフィニッシュだ」と引退するっていう意思表明ですよね。昔からそういった世界の名レスラーたちがシューズを置いて、それでマットに別れを告げるっていうのは伝統的にありますよね。
でも、本当こうこういった偉業を達成した選手とか、一部の人間にしか許されないパフォーマンスではあります。
偉業を成し遂げた直後の“引退表明”。まさかの展開に、客席からは大歓声があがります。
ロペス選手のパフォーマンスにSNSではこんな反応も…、
SNSの投稿:
キューバのロペス選手、山口百恵さんみたい。
ロペス選手は、5連覇という偉業達成についてインタビューに答えました。
レスリング男子グレコローマンスタイル130キロ級
ミハイン・ロペス ヌニェス選手:
5連覇という目標を達成するまで、長い競技人生の中には、多くのハードルがありました。
成し遂げられてうれしいです。
――靴を脱いだ意味は?
ミハイン・ロペス ヌニェス選手:
戦いは終わった。レスリングは引退です。Thank you!
実はこのシューズを脱ぐパフォーマンスを巡って、別の思わぬハプニングがありました。
イランの選手がマット上でシューズを脱ごうと…
男子グレコローマンスタイル60キロ級の3位決定戦でのシーン。
試合に敗れてしまったのは、イランのモフセンネジャド選手(25)です。
モフセンネジャド選手は、敗れた後マット上にたたずんでいましたが…、突然、靴ひもに手をかけ始めました。
実況:イランのモフセンネジャドは残念、5位と。
解説:レスリングシューズ脱いで、引退しようとしてましたね。
実況:あ、そういうことですかこれ。
解説:止めましたね。
実況:今それをマットの上でしようとした所を止められたと。
解説:そうですね。
敗れたイランのモフセンネジャド選手はまだ25歳。ここで引退されたら困ると、このあとコーチが慌ててかけつけて止めたということです。
(「めざまし8」8月8日放送より)