パリ五輪、体操男子の個人総合で、“二十歳の新星”岡慎之助選手が見事、金メダルに輝きました。
実況「勝ったのは二十歳の岡慎之助!岡慎之助が金メダル!体操ニッポン、また新しい王者が生まれました!岡慎之助が金メダル!」
この記事の画像(11枚)終始安定した演技で、合間には笑顔も見せる“リラックスした様子”で決勝に挑んだ岡選手。
しかし、パリ五輪の舞台に立つまでは、けがに悩まされるつらい日々を過ごしてきました。
金メダルをつかんだ“諦めない心”
2022年4月の全日本選手権、跳馬の演技中に右膝前十字靭帯を断裂。全治約10カ月の大けがをした岡選手。
「最後まであきらない性格が自分の武器」と、リハビリ期間中に苦手だったつり輪の強化に取り組み、全ての種目で安定した演技が披露できる力を身につけて挑んだ、今年5月のNHK杯。
初優勝を果たし、夢であり目標でもあるオリンピック代表入りの切符をつかんだのです。
6月のインタビューでは、五輪に向けてこんな言葉も。
岡慎之助選手:
自分の出し切れる力を最大限出して、本当にミスなく終えて、金メダルを取りたいと思っています。
岡選手と同じく、5月の公式練習でしたけがに苦しんだ橋本大輝選手(22)。
東京五輪からの連覇を目指すも、あん馬での落下が響き6位入賞となりました。
新王者を祝った後、一人輪の中から離れ、涙を流す姿も…。
橋本大輝選手:
きょうは、連覇することの意識はあまりなくて、けがしてから…ここまで戻って演技することができたので。悔しいですけど、きょう演技することができて。僕はもうきょうでパリ五輪は終わりなんですけど、堂々とやりきれたという気持ちでいっぱいです。
けがをしてここまで戻って、なんか団体の金メダルだけで、もうおなかいっぱいなので。悔しい気持ちより、幸せすぎて涙が出ちゃって。
いやぁ…本当に団体金メダルをとりあえず、エースとして、まぁエースとしてできたかは知りませんけれど、みんなのために戦えたことが、今大会本当に悔いの残らない大会でした。
涙の理由を、「幸せの涙」と語り、会場を後にしました。
岡選手「感謝を込めて」
けがを乗り越えながらも、競技を楽しみ、金メダルを手にした岡選手。競技後「めざまし8」の小室キャスターがインタビューしました。
小室瑛莉子キャスター:
おめでとうございます。ご両親が見ている中での金メダルで、親孝行できましたね。
岡慎之助選手:
そうですね。結果でしっかり恩返しできたかなというのと、本当に試合始まる前は「感謝を込めて」っていうのをひとつテーマに掲げていたので、それをまず結果で…結果を出してしっかり感謝を伝えられたかなって思います。
アトランタ・アテネ・北京の3大会に連続出場し、アテネ五輪では28年ぶりの団体金を獲得した元体操男子日本代表の塚原直也さんは、決勝で岡選手が見せた“普段とは違う姿”に驚いたといいます。
元体操男子日本代表 塚原直也さん:
予選から完璧な演技を見せてくれたので、ちょっと驚いています。ここまで人間ってできるんだと。調子もいいんだと思いますし、けがしたところから復活して、感謝でいっぱいというか、そういう気持ちがすごく出ていて、無双状態というか。
MC谷原章介:
競技中常にニコニコしていましたが岡選手は普段どんな選手なんですか?
元体操男子日本代表 塚原直也さん:
普段日本では、クールな。演技が終わったら、表情を崩さないみたいな選手なんですけども、一変しましたね。この試合で。
――ガッツポーズも意外?
意外ですね、別人のようにもう生き生きと。
(めざまし8 8月1日放送)