オリンピックに初めて出場する新潟県妙高市出身で陸上女子1万メートルの小海遥。2023年から急成長を見せ、自己ベストを約2分更新した21歳の新鋭にパリオリンピックへの思いを聞いた。
パリ五輪出場!妙高市出身・小海遥選手
「まさかオリンピックに出られると思っていなかったので、いざ決まってみると少し安心したというか、信じられないなという気持ちもまだある」
オリンピック出場が内定した5日後、こう心境を語ったのは、陸上女子1万m日本代表で妙高市出身の小海遥だ。
この記事の画像(11枚)まだ社会人4年目の21歳。「選手村が初めてなので、そこの食事とかはすごく楽しみ。日本代表の選手みんなに会ってみたい」こう笑顔で話し、初々しさも残る小海がつかんだ初めてのオリンピック。“急成長”の裏にあったものとは…
高校時代から注目の小海選手 “強さの秘密”は?
妙高市で生まれ、小学4年生のころから陸上を始めたという小海。中学時代には2年連続で全国女子駅伝の県選抜メンバーに選ばれた。
さらなる高みを目指して高校は地元を離れ、陸上の強豪・宮城県の仙台育英高校に進学した。
2年生の時には全国高校駅伝で優勝し、新型コロナウイルス禍となった3年生の時には宮城県大会の3000mで優勝。
当時からその将来性の高さが注目されていたと小海を指導する早瀬浩二監督は話す。「高校時代から私も正直彼女の良さは知っていた。思った通りの素晴らしい能力を持っている選手」
そんな小海の“強さの秘密”はその性格にあるという。
「もう本当に練習に真面目で、練習に対しての目的意識とかをしっかり考えながら取り組んでくれる選手。こちらが細かいことを言わなくても本人の中で理解して練習に取り組んでくれる」
真面目に練習に取り組む性格に加え、練習時間よりも早く来て準備運動に人一倍時間をかけるという小海。
自己管理を徹底することで、もともと多かったケガが減り、質の良い練習を積めるようになり、「自分が思っている以上に一気にステップアップした」と小海は話す。
自己ベストを約2分更新!目標を“世界”へ
2023年の全国女子駅伝で1区区間賞に輝くと、7月のアジア選手権では金メダルを獲得。12月の日本選手権で自己ベストを2分近く更新する快走を見せた。
そこで見えたのが“世界”だ。早瀬監督は「オリンピックよりも世界と戦うための準備をしよう」と目標を世界と戦うことに設定。
すると、2024年1月の全国女子駅伝では、高校時代を過ごした宮城県チームとして出場し、アンカーで優勝のゴールテープを切り、5月の日本選手権でも2位に!
6月末時点の世界ランキングで27位に入り、見事パリオリンピック出場を決めた。
アジア選手権で金メダルを獲得した小海だが、世界で戦うのは初めて。小海は「これからの競技人生にはすごくプラスになると思う」と話す。
地元の応援受け初のオリンピックへ!
この快挙に沸いているのが、地元・妙高市。5月の日本選手権の時にもパブリックビューイングが開かれ、声を枯らして応援する地元の人の姿が見られた。
こうした地元の応援は小海にも届いていると話す。「県とか地区からの応援というのはすごく力になる」
地元の応援を受けて挑む初めてのオリンピック。
「見ている人に感動や元気を与えられる選手になりたいというのもあるが、この選手だからこの試合が見たいとか、ワクワクさせられるような選手になれたらいいなと思う」
パリの先も見据える21歳がオリンピックの舞台でどんな走りを見せてくれるのか…急成長を続ける小海から目が離せない。
小海選手が出場する陸上女子1万mは日本時間の8月10日に行われる。
(NST新潟総合テレビ)