覚えておきたい応急処置

獣医師と連絡が取れない、動物病院に行くまで時間があるなら、次の応急処置もしてほしいという。

飼い主ができる応急処置
飼い主ができる応急処置

・冷房を強くした屋内や車内など、涼しい場所で休ませる
・扇風機やうちわを使って風を送る
・タオルで包んだ保冷材や氷のうを、首の内側、脇、内股に充てる
・水道水または常温の水で全身を濡らす


ここでの注意点は、冷水や氷で急激に冷やさないこと。急激に冷えると体表面の血管が収縮して、体温の低下が逆に遅くなってしまうことがあるという。

どれも役立つ情報だが、散歩に出かけるタイミング、犬猫を留守番させる時の注意点なども気になるところだ。今回の「暑さ対策」を監修した、獣医師の鈴木正芳さんにも聞いた。

飼い主が「暑くて不快」と感じるなら出かけない

――犬猫の熱中症はどんなケースで起きる?

動物の熱中症は4月下旬~9月下旬によくみられます。犬が特に多く、パグやフレンチブルドッグなど短頭種と呼ばれる犬種はなりやすいです。ケースは冷房をつけずに留守番をさせた。車内に閉じ込めていた。暑い時間帯に散歩や運動をさせた、海や山に連れていった、などが多いです。


――犬猫を留守番させる場合の注意点は?

防災に留意しながら、冷房をつけたままにすることです。水分を取れるようにすることも大切です。西日などが入らないようにもしましょう。可能であれば誰かが残り留守番をさせないこと。なるべく短時間で帰宅することも考えるとよいでしょう。


――散歩に出かけるタイミングはどう判断すればいい?

飼い主が「暑くて不快だな」と思う時間は連れ出さないことです。散歩するなら、早朝や太陽が沈んでからが望ましいですが、熱帯夜の場合は安心できないことがあります。アスファルトの照り返しも危険です。もし暑い時間帯に連れ出すなら極力短時間にして、日陰にしていただきたいです。走り回るなどの運動は厳禁です。


――水分補給を上手にさせるためのコツは?

餌の時間はまず水を与えてからフードを与えるとよいでしょう。飲水量の記録でしたり、ドライフードを与えた場合、ウエットフードを与えた場合の比較ができればよりよいです。水はすぐに不衛生になりますので、こまめに取り替えていただきたいです。



株式会社クリエイティブヨーコの担当者は「夏場は犬猫にとって熱中症のリスクが高いため、飼い主の正しい理解と環境整備が重要です」と話す。厳しい暑さが続きそうなので、今回の内容も参考に、対策してみてはいかがだろうか。

(画像提供:株式会社クリエイティブヨーコ)

プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。