自民党の津島淳衆院議員と細野豪志衆院議員は1日のBSフジ「プライムニュース」に出演し、秋の党総裁選挙について、岸田首相は再選に意欲があるならば出馬して議論すべきだとの見解や、党の中堅若手が派閥にとらわれず行動する必要性、若手で総裁選に向けて政策提言していく方針などが示された。
津島氏は総裁選をめぐる党内の現状について、「意欲のある方が手探りでいる。これまでと状況が圧倒的に違うのは派閥があるかないかだ。派閥でこぞってという形は今ありえない。自分で意欲のある人は探っていかないと感触がつかめないということがある。さりとて表だって出馬するということはまだなくお互い牽制をしている」と評した。
所属する茂木派の現状については、「一旦解散・リセットして、改めて勉強会として時期を見てまたやりましょうということで、改めて再開するフェーズには今は至っていない」と述べ、自身は前回の総裁選では、派閥横断の若手中堅による「党風一新の会」として派閥にとらわれずに行動したことを強調した。ただ、今回の総裁選で同様の動きをするかについては、「あの時は、総裁選のあり方を問うムーブメントなので、今動き出すというのはタイミングが違う」と述べた。
一方、細野氏は、自民党内で岸田首相への責任論が出ていることについて「岸田おろしみたいなものには私は正直全く関心がない。何か国益を毀損してるならおりてもらったほうがいいが、それはない。一方で総裁選があるんだから堂々と主張して選べばいい」と語った。
総裁選のあり方については「自民党の議員として大事な判断を派閥に丸投げしていいのかと思っていた。今度はそのくびきが解き放たれたわけだから、動ける人は動けばいいし、この人はと思えばそこに入ってやればいいし、自民党が近代化したという新しいやり方を見せていい」と述べた。
細野氏は、総裁選の有力候補が意欲をにじませるものの出馬を明言しない状態について、「立場によってなかなか動けない方はいると思う。執行部に入っている人はけじめをつけてからというのは正論だし、閣僚も毎週閣議で総理を立て、重要な決定をする。ガシガシ総裁選挙をやりながら毎週会うのはちょっと辛い」と心情を推し量った。
一方、総裁選で推したい候補の条件について細野氏は、「政策もあるが、それ以上に国を背負う準備をしているかどうか、いざ有事の時にどういう判断をするかとか、憲法にどこまで思い入れがあるかとか明確に判断基準はある」と述べた。
具体的には「それなりの経験がないと難しい。年数とかには必ずしもこだわらないが、勢いで誰かがなるとか、たまたまこの人を看板にかけたら選挙で得かもしれないと判断してはいけない。仮にものすごく優秀で政策ができても、それを胆力を持ってやれるかどうかは、修羅場を越えないとわからない。ある閣僚を経験して国際交渉に臨んだとか大変な災害を経験をして、そこで何かやったとか。それをやらないと正直判断できない。そういう判断をできない人に今国をぱっと託せるほど、この国の状況は甘くない」と語った。
岸田首相の総裁再選出馬の可能性について、細野氏は「3年おやりになったわけで、任期が来るわけですよね。で、次の3年、誰がいいですかっていう判断は、それは、正々堂々とやらせてくださいというそれだけの話だ」と述べた。
津島氏は、自身は岸田首相に苦言を呈したが、責任を取ることについては触れていないと強調した上で、「むしろ私は総裁選は岸田さんは当然現職として、思いがあるならお出になるべきだと思うし若手も含めて思いがある人が立って正々堂々議論して、党員の皆様が最後判断する」ことが適切だとの考えを示した。そして「結果、党員によって示されたそれを受け止めることが、もしかしたら岸田総理が責任を取る場面になるかもしれないという話だ」と述べた。
また、総裁選に向けた今後の若手の動向について細野氏は、「私も若手とは言えないが、何人かで今、練っている文章があり、総裁選挙に向かってこれをやってもらいたいというのを何人かの議員で出したいと思っている」と述べ、外交・安保・経済・憲法・教育などの政策を提言し、総裁選に一石を投じる考えを示した。