近年続くノリの不作、そして価格の高騰。
漁業者からも悲痛な声が上がり、その余波は人気の弁当にも及んでいた。
日本有数のノリの産地・有明海で歴史的な不作
ところ狭しと並べられ、次々に作られていく「のり弁」。
この記事の画像(8枚)もちろん“メイン”ともいえるのが「ノリ」。
使っているのは有明海産。香りや味も格別だ。
こだわり抜いたノリは、有明海産の中でも希少なものを使っているという。
海苔弁山登り・三宅弘昭さん:
有明海産の「青混ぜ」という、自然と青ノリが混ざる海域で、その中の初摘みというものを使っています。香りが良くて、やわらかいノリを使っている。
しかし今、ノリに頭を悩まされていた。
それは価格の高騰。
この4月、苦渋の決断で、お弁当の値上げをした。
海苔弁山登り・三宅弘昭さん:
(仕入れは)だいたい10%くらい金額が上がっている状況です。3%ほど平均して価格改定させていただいた。
価格が上がっている背景にあるのは、日本有数のノリの産地・有明海での歴史的な不作。
冷たい海水で育つノリ。
しかし今シーズンは、冬場に温かい日が続き、ノリと栄養分を奪い合うプランクトンが増殖。
加えて、まとまった雨も少なかったことで、成長に必要な栄養分が山から十分に届かなかったという。
こうした原因により、ノリの色落ち被害が相次いだ。
ノリ漁業者 中島龍さん:
雨が少なくて、悪い条件が続いた。1カ月雨が早かったら、良い形(ノリ)ができていたのに、それが残念です。
こちらの養殖場では、ピーク時は佐賀県全体でとれるノリの13%余りを作っていたが、今シーズンはわずか6%ほどに。
大幅な不作が続く養殖場では、ノリ漁を廃業したり、廃業を検討する漁業者も増えているという。
漁業者も悲痛な声を上げる中、弁当店の利用客からも悩ましい問題との声が聞かれた。
30代の客:
高いけど、おいしいので食べたいので悩みどころですよね。
店は今後、価格が落ち着いてくれば再調整をしたいという。
海苔弁山登り・三宅弘昭さん:
将来的には、当然価格に見合うものには調整する可能性もありますけど。(現在の価格に)商品の魅力と合わせて、ご納得いただければなと思っています。
(「イット!」5月24日放送より)