栃木県那須町の山林で男女2人の焼けた遺体が見つかった事件。
この記事の画像(18枚)見つかった遺体のうち、1人は東京・上野周辺で14店舗の飲食店を経営していた、宝島龍太郎さん(55)、もう1人の女性については、宝島さんの妻と連絡がとれていないことなどから警察は妻の可能性があるとみています。
21日に死体損壊の疑いで逮捕された平山綾拳容疑者は、事件発生の翌日17日に交番に出頭、その際「車を貸した。殺害には関与していない」と供述していました。
平山容疑者が住んでいたのは、事件現場の栃木県那須町から約100km離れた埼玉県越谷市。
出頭の翌日に撮影された写真には、平山容疑者のものと思われる黒い乗用車を、レッカー車に移動させる姿が映っていました。
平山容疑者を小学校時代から知る人は、逮捕の一報に驚きを口にします。
平山容疑者の小・中の同級生:
正直言うと信じられないという気持ちが大きくて。やんちゃめではあったと思うんですけど、結構素直で誰からも愛されるというか、彼を嫌いという人間はいなかったかなという印象です。(3~4年前に再会した時も)中学の時から全く変わらず、明るくて素直なやつだなって思いました。
複数犯の可能性“トクリュウ”型犯罪
逮捕後、警察に対し「名前は言えないが、アニキに頼まれ、車や凶器を用意した」と話しているという平山容疑者。
平山容疑者の犯行に関わったとみられる「アニキ」の存在について、専門家は、SNSなどでつながり犯罪に手を染める「匿名・流動型犯罪グループ」の可能性を指摘します。
元埼玉県警捜査一課刑事 佐々木成三氏:
一人が出頭したということに関しては、やはりそのグループの中で関係性が希薄だなと。統率性がないグループだなと。しかもそれが素性がわからないグループが行っているとなると、やはりこれが、“トクリュウ”(匿名・流動)型犯罪グループの特徴でもあるなと感じるんですね。
「宝島ロード」やり手の経営者の一方で“トラブル”も…
被害者の宝島さんは、上野周辺で14店舗の飲食店を経営しており、“やり手の経営者”として知られていました。
経営する店が集中している商店街の通りは「宝島ロード」と呼ばれるほど。
宝島さんの店の近くの飲食店店員:
例えば、アメ横の中に(空いてる)所があれば、オーナー(宝島)さんが絶対とる。全部新しい店つくってたから。誰のお店かな?と思ってオープンする、オーナー(宝島)さんがいたら、「すごい、また新しいお店をつくったんだな」って。
毎晩、毎夜、社長と奥さんがここに自転車止めて。売り上げ…いろんな店舗のチェックかな。
数ある店を自転車で回り、自ら売り上げを回収していたといいます。
宝島さんの妻も店の経営には関わっており、夫婦がよく訪れていた飲食店関係者は2人の様子をこう話します。
宝島さんがよく訪れていた店の関係者:
夫婦2人で仲良くしていただいたっていうところなので、2人ともいい方でしたね。「もっとこうしたらいいんじゃないか」っていうアドバイスをくれたりだとか、「こういうのやってみたら」とか、本当に気さくに話してくれる方だったので。
しかしその一方で、他の飲食店とトラブルになっていたという証言も。
宝島さんの店の近くの飲食店従業員:
ここ(のライバル店)だけ3~4年前に、1週間に1回けんかしていた。
今月10日未明、亡くなった宝島さんとその妻の姿を捉えた防犯カメラには、路上で男性と話している周りに、数人の警察官の姿があった。
宝島さんが何か説明を始めると、さらに警察官の姿が増えていきます。
別の日の映像にも、声を荒げ誰かと口論になっている妻と、それをなだめる宝島さんが映っていた。
過去に宝島さんとトラブルになったという男性はこう話す。
宝島さんの店とトラブルになっていた店舗の社長:
営業妨害までされたことは事実です。3年もトラブルが続いていい加減嫌になって、人に店を譲ったんですよ。けんかはしたくないけど、もし自分が立ち向かわなくなったら、スタッフもやめちゃうと思うので、しょうがなく対応するしかなかったんです。
男性は営業妨害を受けたとして、宝島さんの会社などを訴えているといいますが、これに対して宝島さん側も反論。
男性側が宝島さんの店の悪評を流したと逆に訴えを起こしているといいます。
平山容疑者の逮捕で急展開を見せた事件。警察は、事件に関与した人物が他にもいるとみて捜査を進めています。
(めざまし8 4月22日放送)