戦禍にさらされるパレスチナ自治区ガザに南国市の小学校に通っていた女性がいる。女性の弟で、南国市出身の男性が、4月8日、高知に到着し「家族を高知に避難させたい」とその思いを訴えた。

父の留学で日本に住んでいたモハメドさん

8日午後4時半ごろ、高知龍馬空港に到着したのは、モハメド・アルダフディーさん、22歳。

この記事の画像(11枚)

南国市生まれでアラブ首長国連邦の大学に通う日本人。以前、家族と親交のあった人に出会い、思わず笑みがこぼれた。

23年前、南国市に住んでいたモハメドさんの家族。
父・ジアードさんが今の高知大学医学部の大学院に留学していたことから2001年に家族も来日していた。

高知さんさんテレビは21年前に当時、岡豊小学校に通っていた姉のノールさんを取材。モハメドさんは生まれたばかりだった。

ノールさんは「えっとねー肉をいっぱい売りゆう」と授業中の発表で土佐弁を上手に話すなど、高知での暮らしに馴染んでいた。ただ父・ジアードさんは「祖国の言葉を忘れてほしくないと」祖国パレスチナへの帰還を決意。2003年に高知を離れた。

父・ジアードさん:
ノールから「私にどうしてほしいの?パパはアラビア語か日本語どちらを私に教えるの?」と尋ねられました。

避難したいモハメドさんを支援

イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから半年。ガザ南部・ラファに暮らす家族を高知に避難させたいと願うモハメドさんのため、3月、龍馬学園の北古味潤さんを代表とする「モハメドさん家族応援団」が発足。

日本国籍を持つモハメドさんが、一足早く受け入れ準備のために高知に帰ってきた。

9日、支援者らと県庁を訪れたモハメドさんは高知の印象などを濵田知事に伝えた。

モハメドさん
高知での写真はたくさんあります。(幼少期だったため)高知のことは分かりませんがいつも眺めていました。桜の季節の美しい写真もあり桜の季節に帰ってこようと思っていました。

濵田知事:
モハメドさんが希望されているような方向で高知で家族が住むという条件が整うように私としても希望しお祈りを一緒にしたいと思いますし、その折にはぜひみなさん高知家の家族として高知で一緒に住まうことが出来ましたら、県民のみなさんも嬉しく思うと思います。それではグッドラックと申し上げたい。

「ありがとうございます。一生忘れません」と話し、濵田知事と握手を交わす姿もあった。

父との思い出の「桜」

モハメドさんには高知でどうしても訪れたい場所があった。

父・ジアードさんとの思い出の場所、桜の名所・高知城だ。

桜をみて桜見たモハメドさん「(写真と)一緒だ、きれい」と話し、写真を撮ってた。ガザにいる家族に見せてあげたい景色だとモハメドさんは話す。

モハメドさん:
写真は家族に送ります。高知での生活を思い出すと思います。特に父は20年越しの思い出の場所でとても喜ぶと思います。

夢は“家族みんなで高知に住む”こと。モハメドさんの願いが花開きますように。

モハメドさん:
また高知に帰ってきます。この土地で優しい人に囲まれて暮らしたいです。

モハメドさんは4月20日頃まで高知に滞在予定で、2024年12月に大学を卒業した後は高知での生活を始めたいとしている。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
高知さんさんテレビ

高知の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。