島根県西部の川本町が女子の硬式野球クラブチーム創設に向けて動き出した。狙いは野球を通じた人口定住や地域活性化。県内出身の元プロ野球選手を監督に招き、チーム作りをスタートし、2025年4月のチーム発足を目指す。

「率直にワクワクしています」

4月4日、島根・川本町役場を訪れたのは、島根・大田市出身の元プロ野球選手・森山一人さん(50)。川本町が2025年4月の発足を目指す女子の硬式野球クラブチームの監督に就任する。

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森山さんは地元・邇摩高校を卒業後、1991年のドラフトで当時の近鉄バファローズから6位指名されプロ入り。その後、当時の福岡ダイエーホークスに移籍した。

2002年に現役を引退したあとは、独立リーグや大学の監督として指導者として経験を積んできた。

就任のあいさつのため、川本町の野坂町長のもとを訪れた森山さんは、「率直に今の気持ちはワクワクしています」と今の心境を語った。

野球を通じ人口減少の課題に“待った”

決して“野球どころ”とは言えない島根県、しかも、人口3000人ほどの小さな町で、なぜ「女子野球チーム」なのだろうか?

川本町では、2019年、町内唯一の高校・島根中央高校に県内初の女子硬式野球部が創設されている。県外の高校生を1年間、県内の高校で受け入れ学んでもらう「しまね留学」の取り組みの一環で作られ、現在は、県内外から49人の部員が集まり、練習に汗を流している。

ただ、クラブチームが県内になく、卒業後も野球を続けたい部員は県外に活躍の場を求めざるを得ない現状だ。

女子野球のクラブチーム創設プロジェクトのポスター
女子野球のクラブチーム創設プロジェクトのポスター

そこで、町をあげた一大プロジェクトとして女子野球のクラブチームを創設。
卒業後の受け皿をつくることで、野球を通じて川本町にやってきた高校生の地元定着を図り、町が抱える高齢化、人口減少の課題に“待った”をかける構想だ。

監督や選手、チームスタッフの給与は、総務省の「地域おこし協力隊」制度を活用し、町から支払われる。

チーム発足目指し選手を公募

川本町の野坂町長は「人々と地域と交流し、滞在しながら、自らの将来を考えていただく。そういう機会を国の地域おこし協力隊制度を活用して提供することで、町としても精いっぱい支援を進めていきたい」とチームへの支援を約束。

森山さんも「しっかりとした目標を持った行動が、いつもどのタイミングでも出せるような活発なチームにしたいと思います」と今後のチームづくりへ抱負を語った。

川本町は今後、チーム名を公募、選手を募集するなど準備を進め、2025年4月のチーム発足を目指している。

(TSKさんいん中央テレビ)

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