卒業・就職のシーズンを迎える春は、街で初心者ドライバーを多く見かける季節だ。安全運転のため、運転に慣れたドライバーにとっても落とし穴になりそうな交通ルールについて考える。テーマは、側道からの合流時のウインカー。調べてみると、勘違いをしているドライバーも少なくなかった。

本線へ“合流” ウインカーはどっち?

最近、SNSで話題になった画像がある。2車線の大通りへの合流地点。進行方向には停止線がある。この場合、ウインカーは右?それとも、左?どちらを出すのが正しいだろうか。街で聞いてみると…。

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右ウインカー派からは、「私は右に出している。右側にある道路と合流するから」「後ろ(進行方向右手)から来る人に入るよって」といった声。

一方、左ウインカー派からは、「左に曲がるから」「停止線がある場合だったら左ウインカー。そうでなければ右ウインカー」と、それぞれ、その根拠を教えてくれた。中には、「左を出していると思う。自分が左に行くからですが、こっち(進行方向右手)から来た車には見えないですね」と話し、どちらを出すか迷うという人もいた。

自動車学校の指導員が解説

実際に、島根・松江市内の道路で定点カメラを置いて調べてみた。合流地点の手前には一時停止の標識、そして、停止線がある。

右ウインカーが左ウインカーのほぼ2倍
右ウインカーが左ウインカーのほぼ2倍

30分ほど観察すると、右ウインカーが46台、左ウインカーが24台。右ウインカーの車が左ウインカーのほぼ2倍という結果になった。

この結果について、松江市の島根自動車学校の指導員・内村憲治さんは、「教習生などから聞かれることが多い。どちらを出していいのかわからないので教えてほしいと。結構、みんな迷っている」と話した。

やはり、判断を迷うドライバーが多い、“難問”のようだ。この場合、正しいのは…。

島根自動車学校・内村憲治さん:
左ウインカーが正解。変形しているが交差点。一時停止の標識や停止線があれば、確実に交差点といえる

一時停止の標識や停止線があれば、そこは「交差点」。今回の場合、大通りへの合流は左折にあたるので、ウインカーは「左」を出さなければなりらない。

内村さんは「対向車がある場合、勘違いをすると事故の危険性がある」と指摘、ウインカーを正しく出さないと、対向車が勘違いして急ブレーキを踏むなどして事故につながる可能性もあると注意を促す。

正しく覚えよう“交通ルール”

島根県警によると、ウインカーの間違いが原因で事故が起きた場合、「安全運転義務違反」にあたるケースもあるといい、「出し間違い」では済まされないことも考えられる。

島根自動車学校の内村さんも、「ウインカーを出すタイミングが非常に遅い人、あるいは全く出さない人が年々増えているような気がするので、直してもらえれば」と呼びかけた。ちなみに、高速道路のインターチェンジなどのように停止線がない場合は「車線変更」にあたり、ウインカーは「右」を出す必要がある。

道路交通法などでは、車線変更は3秒前、交差点では30メートル手前からウインカーを出すよう定められていて、ウインカーを出さない場合は「合図不履行違反」として、違反点数や反則金が科されることもある。

人や車が安全に通行できるよう定められた交通ルール。安全運転、事故防止のため、初心者もベテランも正しく覚えておく必要がある。

(TSKさんいん中央テレビ)

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