福井県にある工業大学が、年々入学が増えている女子学生に憩いの場を提供しようと、ちょっと気の利いた空間を新設した。
新入生代表 女子学生が誓いの言葉
2024年度、福井工業大学(福井市)には4つの学部と大学院に、あわせて486人が入学した。

4月3日の入学式で、掛下知行学長は「コロナ収束後の社会、ポストコロナの担い手として強く望まれ、大いに活躍することが期待されている。時代が皆を必要としていると言っても過言ではない」と新入生を激励した。
新入生を代表して誓いの言葉を述べたのは、女子学生の佐々木陽野さんだ。

スポーツ健康科学部・佐々木陽野さん:
私たちは本学の約束および学生心得を固く守り、勉学に励み学問の真理探究にまい進することを誓う
女子学生増加を鑑み「専用ラウンジ」
福井工業大学では近年、女子学生が増加傾向にある。現在、新入生を含めた女子学生は255人。全学生に占める女子学生の割合は5年前には10.3%だったが、徐々に増え、2024年度は12.8%になった。

こうしたことを背景に、大学は食堂の一角に「女子学生専用ラウンジ」を作った。入学式当日にオープンするということで、女性記者が中に入らせてもらった。
ラウンジにはセキュリティーシステムがあり、女子学生が学生証をかざして入る形になっている。

内装には明るい色が使われ、木目調のデザインがくつろぎやすい空間を演出。時期や時間帯に合わせて照明の色や明るさが調整できるという。食事だけでなく、勉強スペースとしても利用可能だ。

さっそく利用していた女子学生たちは「こういう場所ができて、勉強の時間をつくることができるのがすごく良い」「女子でいっぱい盛り上がれるかなって思った。やっぱり恋愛の話をしたい」「1人でも楽しめそうだし、大人数でもゆっくりおしゃべりできる」などと話し、好評のようだ。どれくらいの頻度で利用したいかを尋ねると「毎日!」と目を輝かせていた。
男子の割合が多い工業大学
大学がこうした空間をつくったのには、男子学生が多くを占める環境ならではの事情があった。実はこれまでに、女子学生から「くつろげる空間が欲しい…」という声が寄せられていたという。

金井学園 高嶋麗亜さん:
工業大学なので男子の割合がとても多いが、女子に向けて、より居やすい場所にしたい。飲食も勉強もできるいろいろな機能を持ち合わせたこの場所を大いに活用してほしい

大学は、女子を意識したサービスを充実させることで、さらに多くの女子学生を迎えたい考えでいる。女子学生専用ラウンジは午前7時~午後10時まで使うことができる。
(福井テレビ)