4月1日に行われた新入職員の入庁式で、職業差別とも受け取れる発言をし、2日には発言については「不適切ではない」との立場で、「発言を切り取られた」とメディアの批判をした上で、突如として辞意を表明した静岡県の川勝知事が3日会見し、発言について「心を傷つけたのだとすれば、誠に申し訳なく心からお詫びを申し上げたいと思います。誠に申し訳ありませんでした」と謝罪した。その上で、辞任の理由について、今回の発言と、リニアモーターカーをめぐる件が一つの区切りを迎えた事だと説明した。

川勝知事は1日の入庁式で、「実は静岡県、県庁というのは別の言葉でいうとシンクタンクです。毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね」(原文ママ)と発言して、2日に突如辞意を表明していました。

2日の会見では辞任について説明を求める記者の問いかけを無視して会見を打ち切っていた。3日の会見の冒頭では、「第一次産業の人たちの心を傷つけたのだとすれば、誠に申し訳なく、心からお詫び申し上げたい」と述べて謝罪した。その上で、これまでも失言で議会やマスコミ、県民から指摘を受けてきた事を「不徳の致すところ」として、「私の不十分な言葉遣いで人の心に傷を付けた、これは大きい。意図せずに。反省しなければいけない。これは気付いていなくて言われて気が付く。これが繰り返されている。一つの大きな辞任の理由」と説明した。

さらに、主な辞任の理由として、JR東海が進めるリニアモーターカーを巡る問題が「一段落した」事を挙げた。

川勝知事は、「2027年の開業は極めて困難」との認識を示していたJR東海が、3月29日に静岡工区が着工できていないことを理由に「2027年の開業は実現できる状況にはない」と初めて明言し、新たな事業計画が示された事や、JR東海、静岡県、国土交通省が参加する国のモニタリング会議で3者の協議が続く事になった事などを取り上げて、「ここ2~3ヶ月でリニアの問題が大きく動いて。仕事が一段落したというのが辞表を提出した理由です」と説明した。

川勝知事の一連の発言や突然の辞意表明については、静岡県庁には3日正午までに1404件の意見が寄せられていて、多くは知事への批判だという。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。